2018年3月10日、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)のユーザーが集まるコミュニティ「JAWS-UG(Japan AWS User Group)」の年に1度の大きなイベント「JAWS DAYS」が開催されました。2012年から開始されたこのイベントへの参加者は毎年増え続けています。私も第3回から、欠かさず参加しています。今年は「no border」をテーマに米国、中国、韓国、台湾、タイといった海外からの参加も募り、参加者は1400人を超えました。
JAWS-UGをはじめとするコミュニティは、有志のメンバーによって支えられています。活動にコミットしても、報酬としてお金が得られるわけではありません。それなのに、どうして人々はそこに集まるのでしょうか。自分自身の貴重な時間を費やしてまで準備を重ね、イベントの運営などの活動に力を尽くすのはなぜなのでしょうか。
コミュニティ参加前の葛藤
私がコミュニティ活動に深く関わるようになった大きな理由は、そこで出会った人たちの魅力に惹かれたからです。どの人も自分らしく、生き生きと活動していました。
JAWS-UGには、「クラウド女子会」と呼ぶ集まりがあります。IT関連のコミュニティはどうしても男性が多くなりがちですが、女性が参加しやすい空気をつくるために「女子部」を設けているのです。コミュニティへの参加をためらっていた私も、女子会のおかげで一歩を踏み出すことができました。
「コミュニティ活動は、仕事じゃない。楽しく、自分らしく、自由にやればいいんだよ。とにかく楽しくやらなかったら意味がない」。
そう話をしてくれた女子会の運営メンバーは、何かに抑圧されることなく、自分を自由に表現しているように見えました。私はそんな彼女たちをうらやましく感じました。同時に、なぜこのコミュニティにこんなに魅力的な人たちが集まってくるのかを知りたくなったのです。参加者からイベントの登壇者へ、そして運営メンバーへと、徐々にコミュニティへの関与の度合いを強めていきました。
しかし、その過程では数多くのハードルがありました。特に、参加者の立場からイベントの登壇者へとステップアップする際は、大きく2つの葛藤がありました。