社内の上司と自分という限られた関係の中では、「自分は認められていない」と感じてしまうかもしれません。しかしそのほかに、自分を受け入れてくれる場所、安心して自分自身を表現できる場所は、身近にあるはずです。もし現時点でないという場合も、過去に自分が受け入れられ、モチベーション高く何かに取り組めた経験があれば、そのときの仲間や状況を思い出してみてください。

 こうした場所や人たちの存在を支えに、まずは自分で自分自身を認めてあげることが大切です。そして、自分自身でモチベーションをコントロールして前向きに仕事を進めることが重要です。すると、少し時間は掛かるかもしれませんが、結果的に上司もその姿勢を認めてあなた自身を評価してくれることでしょう。

 今回のご質問のような状況に陥る可能性は、誰しもあります。特に、この先会社で長く働いていくと、自分のやる気や想いを理解してもらえず、他者承認が得られない状況に陥る状況は何度も訪れます。実際に私も、自分の思い描く世界を上司や周囲になかなか理解してもらえず、「会社を辞めたい」と思ったことは何度もありました。

 そんなとき、日々のモチベーションアップに影響したのが、会社以外の場所や仲間たちでした。AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)のユーザーコミュニティである「JAWS-UG」をはじめ、キャリアコンサルタント仲間、業界団体での社外活動などです。社内でも、ダイバーシティ推進のプロジェクトに携わったり、過去の業務でつながった様々な部署の人たちと触れ合ったりすることで、自社の中に自分の思いに共感してくれる人がいることを認識できる場がありました。こうした社内外の様々な場や人のつながりが、私の自己承認を後押しし、モチベーションの維持に大きく影響を与えています。

 あなた自身が今の会社に入った理由は何でしょうか。今、達成したいと考えているのはどんなことでしょう。こうした志を、たったひとりの上司に理解してもらえないというだけで失ってしまうのはもったいないことです。会社や上司以外の場所や仲間たちの存在をパワーに変えて、モチベーションを高め、自分の想いを実現してください。

多田 歩美(ただ あゆみ)
キャリアコンサルタント
多田 歩美(ただ あゆみ) 2006年、大手自動車メーカーに入社。研究領域の情報システム部門を経て、現在は本社のグローバルITインフラ戦略業務に従事。2014〜2016年には業界団体でCAE(コンピュータ支援設計)領域でのクラウド活用タスクのリーダーを務める。社外活動としてはIT勉強会に積極的に参加・主催。2016年には米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の「Community Hero」に認定される。また、個人的な生涯学習としてキャリアカウンセリングの勉強を始め、2013年にCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格を取得し、2016年国家資格キャリアコンサルタントに登録(写真:菊池 くらげ)