こうしたスキルの習得には業務での実践が重要ですが、実は社外にもチャンスがあります。例えば、IT勉強会などの活動に参加すると、実践力を高めるヒントが見つかります。社外の人と交流する中で、自分の所属する会社が周りからどう見られているのか、他社では同じ状況に対してどう考えどんな対策をしているのかが分かります。自社のことを外から見つめ直すことで、自社の弱みだけでなく、強みを感じられるメリットもあります。私自身、こうした場で得た知見が、関係者をつなぎ合わせるための説明材料のヒントになることが多くありました。

組織として取り組もう

 テクノロジーを使いこなす力と人を動かす力、この両方を一人が兼ね備えるのは大変です。人によって得手不得手があるのは当然ですし、大企業では一人で全社の状況を把握するのは困難です。

 理想的なのは、IT部門が組織としてこの2つの力の強化に取り組むことです。メンバー一人ひとりが、自分自身の強みがどの領域にあるのかを認識しながら、組織全体としてしっかりと機能を果たしていくことを目指しましょう。

 受動的なメンバーも多い中、こうした状態に近づけるのは困難だと感じるかもしれません。しかし、あなた自身が行動を起こさなければ何も変わりません。今求められているIT部門の役割は何かを考えて自分の強みは何かを理解し、どんなささいなことでも構いませんから、今の自分にできることから始めてみてはいかがでしょうか。

多田 歩美(ただ あゆみ)
キャリアコンサルタント
多田 歩美(ただ あゆみ) 2006年、大手自動車メーカーに入社。研究領域の情報システム部門を経て、現在は本社のグローバルITインフラ戦略業務に従事。2014〜2016年には業界団体でCAE(コンピュータ支援設計)領域でのクラウド活用タスクのリーダーを務める。社外活動としてはIT勉強会に積極的に参加・主催。2016年には米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の「Community Hero」に認定される。また、個人的な生涯学習としてキャリアカウンセリングの勉強を始め、2013年にCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格を取得し、2016年国家資格キャリアコンサルタントに登録(写真:菊池 くらげ)