Q.IT関連の会社役員です。本業と副業のダブルワークを推奨する企業が増えていますが、企業や職場にとってデメリットはないのでしょうか。当社では以前、社員がキャバクラに勤めて問題になりました。社会的に副業を推奨する動きもある中で、どう考えればよいか悩んでいます。
過重労働が問題視される中で、ダブルワークは疑問です。フルタイムの正社員が副業まで行うと、自分の余暇が少なくなります。平日の仕事を終えてから、また休日に働くことで疲労が溜まります。パートやアルバイトなど短時間労働者でない正社員のダブルワークは生活にゆとりがなくなるため、職種や労働時間を含めて慎重に考えるべきです。
会社が副業を禁止する理由
筆者は、正社員が会社に申し出て許可を得た場合は可とし、原則はダブルワークを禁止するように指導しています。短時間労働者については強く禁止する必要はないでしょう。許可を前提に可能とする理由は、定時間外や休日は社員の自由な時間で拘束できないからです。ただし、会社に迷惑がかかる場合が多いので原則禁止にします。企業が副業を禁止する主な理由は以下の通りです。
・残業を断る社員が出る
かつて会社に内緒で副業をしていた社員が、副業先の勤務のために本業の残業を断ることが多く、問題になりました。業務命令に明らかに背いていたのです。
・休日出勤を断る社員が出る
これも残業を断る話と同様です。副業をしていると休日出勤や、出張での休日移動といった業務命令も断るため問題になりました。
・遅刻が多い社員が出る
平日勤務を終え、夜間にアルバイトを行っていた社員です。遅刻、時には居眠りもあり問いただした上司に事情を説明し発覚した事例がありました。
このように、副業は本業に迷惑をかけることがあります。