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Q.当社は中途採用の面接で家族のことを聞いてしまい、後日その質問が必要だったのかとクレームが入るトラブルが発生しました。面接に当たって注意事項を教えてください。

 採用面接は、学生の新卒採用の面接と考えがちですが、中途採用やパートの募集採用での面接は少し違います。社会人でない学生の面接では面接後に学校から質問について注意の連絡があったりするので、企業側も気を遣うでしょう。面接する社員に対しても事前にマニュアルを配布し、質問についての注意事項を伝えている場合が多いです。

 しかし、中途採用の場合は特にこうした準備をせず、トラブルになることがあります。原則は、本人の能力に関すること以外は聞いてはならないことです。

 業務を遂行する上で適性や能力があるかを見極めるための質問は当然するべきです。そうでないと採用可否を判断できません。会社には採用の自由があります。

 しかし、業務に関係のない家族や生活環境、貯金など適性・能力とは関係のないことを聞くことはNGです。業務遂行能力や本人の希望が業務と合致するかを見極めるための質問はOKですが、内容には留意しないとトラブルになりかねません。

 NGとされる主な質問群は以下の5つです。

(1)本籍や出身地

 本籍地や出身地は本人の能力に関係ありません。これを聞くのはNGです。

(2)資産に関すること

 自家か賃貸か自己所有か、一戸建てかアパートかなどもNGです。資産は本人の能力に関係ありません。 

(3)家族のこと

 家庭環境や家族構成、勤務先、収入なども質問してはなりません。本人に関係がないことです。

(4)男女差別に関わること

 彼のこと、結婚や出産の予定、結婚後や出産後に働く意思があるのかなどの質問はNGです。女性に偏った質問は男女雇用機会均等法の趣旨に反します。

(5)基本的人権の侵害になる可能性があること

 信条、宗教、支持政党などの質問になります。ただし、採用後に支持政党の選挙や宗教に関する活動が他の社員の迷惑になってトラブルになる場合があります。他の社員から進言があって発覚するのですが、社内での勧誘や政治的活動を禁止するのは問題ありません。

 以上のような質問は後日、本人からクレームが入る恐れがあります。新卒採用なら学校からクレームが入るでしょう。学生の場合、特に高校生は未成年でもあり、神経を使うべきです。もちろん大学生や中途採用の社会人ならよいというわけではありません。

 会社としては、面接する社員に対してNGとなる質問を行わないよう指導しておくことが肝要です。

杉本 一裕(すぎもと かずひろ)
1985年メーカー系IT企業に入社。多数の大手中堅企業における勤怠・給与・人事制度の業務コンサルティングを手掛ける。在職中の2007年には総務省年金記録確認/大阪地方第三者委員会の専門調査員を兼務。退職後、社会保険労務士事務所のSRO労働法務コンサルティングを開業。IT企業をはじめ、製造業や病院、大学、鉄道、販売流通業など幅広い業種のコンサルティング業務に従事。労務リスク回避や労務管理に関する専門家として、 講演や執筆活動も行っている。

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