Q.現在の肩書は「課長」です。しかし部下はおらず、仕事の内容もSEのときとほぼ同じ。なのに残業代は出ず、業績不振になると給与カットとなります。いったい管理職とは何なのでしょうか。不満がたまる一方です。
部下がおらず、賞与も係長や主任時代と変わらない。こんな状況の課長は、労働基準法上の管理職とは言い切れないでしょう。
特に課長に昇格した年は、残業手当が無くなり、前年よりも給与が減る人が出てくるかもしれません。SEやプログラマは他の職種に比べて残業が多い傾向があります。その分、昇格したのに残業代が無くなって給与が減ったと感じる人が多いのです。業績不振に伴う賃金カットも真っ先に役員や管理職が対象となります。そのため昇格しても不満を持つ課長職は意外に多いと思います。
そもそも管理職の定義は?
多くの会社では、昔から課長よりも上の役職を管理職と呼んでいます。IT業界では「マネジャー」「リーダー」など呼称の多様化が進んでいますが、おおむね課長職以上が管理職という点に変わりはありません。
問題は、ご質問のような「名ばかり管理職」のケースです。労働基準法上の管理監督者か否かは事案ごとに判断されますが、一般的な考え方は下記のようになります。
- ある程度、経営に参画しているか
- 労働時間など細かく指示されていないか
- 賃金面で相当の処遇が施されているか
1つめは、経営者と一体的な立場で経営に参画しているかが焦点となります。少なくとも事業部や部レベルで、経営や人事権に関与していなければならないと思います。
2つめは、労働時間など細かく指示されていないかです。管理職には労働時間の制約がないので残業手当がありません。制約がない以上、出退勤の裁量があって当然となります。
3つめは、賃金面で相当の処遇が施されているかどうかです。ここが一番肝心だと筆者は思います。役職手当や賞与で優遇されていなければ不平不満に思うのは当然です。担当職と差をつけ、管理職として相当な処遇を施さなければなりません。