Q.大手SI企業に勤務しているSEです。先日、海外出張中に体調を崩し、丸1日ホテルでダウンしてしまいました。しかし出張精算すると、宿泊費はありましたが、会社側から休んだ日の日当はカットされていました。日当がないのでその日は飲食代を考えると完全に赤字です。出張期間中なら全額支給されると思っていたので、何だかとても納得いきません。

 日当は、会社が社員に周知しているルール(出張旅費規程など)に基づいて支払われます。よって質問のケースでは、出張期間中の暦日に対して日当を支給するというルールがあれば支払ってもらえます。もしルールが明確でない場合でも、例えば出張期間中の休日に日当が出るなら、今回のケースも同様に支給を求めてよいでしょう。一度、会社側と話し合ってみてください。

 国内・海外に関係なく、出張に必要な旅費や宿泊費などの費用は、当然会社から支給されます。仕事をする上で必要な費用であり、支給されて当然と言えるでしょう。

 旅費や宿泊費以外にも、会社が恩恵的に支給しているのが日当です。日当は食事代の補助や「お疲れ様」という意味で、多くの会社が支給しています。

 日当の定義まで明確にしている会社は少ないと思いますが、日当の金額や支払い条件については出張旅費の規程にあるはずです。例えば「日帰り出張の日当は〇〇〇〇円」「宿泊を伴う日当は日ごとに〇〇〇〇円」などです。他にも休日の移動について移動手当を支給している場合もあります。これらは通常規程化されているので、まずはそれを確認するのがよいでしょう。

会社に日当の支払い義務はあるか

 では、会社に日当の支払い義務はあるのでしょうか。日当については、そもそも法的な支払い義務はありません。会社が任意で支給しています。

 ただし、会社が日当を定めた場合、支払わなければなりません。規程に従って支払うことになります。出張先での有給休暇日や欠勤日の日当について何の記載もないと、今回のようなケースが生じてきます。

 仮に出張中の実労働日に対して日当を支給するというルールがあれば、今回のケースでは不支給とされても文句は言えません。いずれにせよ、今回のトラブルは会社側が支給条件を明確にしておかなかったことが原因です。

自分が得するほうに考えてよい

 大事なのは、社員は自分が得するほうに考えて申し出ることです。

 今回の日当の件もそうですが、誰でも自分が得するほうに考えて当然です。このほか、結婚休暇や忌引休暇、生理休暇なども無給なのか、それとも有給扱いなのかが明確でないのなら「有給で休める!」と社員は判断するでしょう。

 今の時代、多様なケースで会社は説明根拠を求められます。根拠がない場合に、会社側は理屈っぽく説明し、過去こうしてきたなどと言い訳する場合があります。それでも筆者に言わせれば、明確にしていない会社が悪いということになります。

杉本 一裕(すぎもと かずひろ)
1985年メーカー系IT企業に入社。多数の大企業にて勤怠・給与・人事制度の業務コンサルティングを手掛ける。在職中の2007年には総務省年金記録確認/大阪地方第三者委員会の専門調査員を兼務。退職後、社会保険労務士事務所のSRO労働法務コンサルティングを開業。IT企業をはじめ、製造業や病院、大学、鉄道、販売流通業など幅広い業種のコンサルティング業務に従事。労務リスク回避や労務管理に関する専門家として、 講演や執筆活動も行っている。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
有料会員と登録会員の違い


日経クロステックからのお薦め

チームはやぶさ2、未踏に挑んだ10人

チームはやぶさ2、未踏に挑んだ10人

渾身の記事を直接お届け、2月24日に新サービス「フカメル」開始

9つの世界初を成し遂げた小惑星探査機「はやぶさ2」を深掘りする。裏側には、未踏に挑んだ10人のスペシャリストがいた。とっておきの10の物語を通して、「チームはやぶさ2」が奇跡を成し遂げた理由に迫る。

「チームはやぶさ2」を購読する