全1378文字

Q.メーカーでパート社員として働いています。勤務先が同一労働同一賃金を考慮するとのことで、10月から時給がアップし、賞与も支給されるようです。しかし年収がアップして配偶者の扶養枠から外れて損をしたように思えます。そこで勤務時間の短縮を希望しましたが駄目でした。会社は雇用継続の観点から調整して当然と思っていたのですがどうなのでしょうか。

 筆者は素晴らしい会社だと思います。会社側にすれば本人に支払う給与だけでなく、社会保険料の負担も発生して人件費が大幅に膨らみます。そこまで会社は覚悟しているのです。

 同一労働同一賃金については嫌がる会社のほうが多いでしょう。厳しい言い方ですが、年収が上がるから勤務時間を短くしてくれて当然という考えは身勝手かもしれません。

 いずれにせよ、同一労働同一賃金によって社会保険の加入はどんどん広がる方向にあります。何を重視するかをよく考えて判断してはいかがでしょうか。

 なお、同一労働同一賃金については2020年4月から施行されます(中小企業は2021年から施行)。具体的にはパートタイム・有期雇用労働法で周知されていきます。質問者の会社は法令の施行を待たずに早めに対応しようとしているのでしょう。

「扶養」が前提なら働ける時間は減る

 同一労働同一賃金の職場への影響は、例年の最低賃金アップよりもかなり大きなものになりそうです。配偶者の扶養家族の範囲内で働いている方は当然ですが、働ける時間が減っていきます。

 一方、企業側にすれば労働時間を減らしてまで雇用継続できないでしょう。それならフルタイム勤務の雇用を増やしたいと思うはずです。会社の社会保険料負担は確実に増えます。今後、人件費増によって雇用形態で悩む会社(特に中小企業)が多数出てくるのではないでしょうか。