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Q.IT企業でプロジェクトリーダーを務めています。最近、働き方改革の一環でコアタイムの無い「スーパーフレックス」という制度が導入されました。しかし朝の在席率が激減し、会議や顧客対応にも支障が出ています。権利を主張する部下と怒りをぶつける顧客の間で板挟みの状態です。

 社員自身が労働時間の長さや配置を決められるフレックスタイム制。IT業界では20年ほど前に広く導入されましたが、運用の難しさから廃止する企業が増えていました。

 そもそもフレックスタイム制は出退社の予定時刻をきちんと共有したり、他の社員や顧客に迷惑がかからないように出退社時間を調整したりする必要があります。

 質問者の職場のように、フレックスタイム制を導入すると朝の在席率が悪くなり会議ができない、顧客やトラブルへの対応に支障を来すといった問題が起こりかねません。多くの人が関わるITプロジェクトはなおさら運用が難しいでしょう。筆者自身もIT企業でマネジャーを務めていた当時、質問者と同様の悩みを持っていました。

 ところが最近、働き方改革で再びフレックスタイム制を導入する企業が出ているようです。質問のケースはフレックスタイム制をさらに進化させたスーパーフレックスです。コアタイム(拘束時間)が無いスーパーフレックスは社員の在席時間帯がバラバラになり、通常のフレックスタイム制よりも運用が難しくなります。

デメリットが多いスーパーフレックス

 ところでスーパーフレックスで休憩時間がバラバラになるのは法令違反なのでしょうか。通常のフレックスタイム制ならコアタイムを設け、社員は一斉に休憩時間を取得できます。例えばコアタイムが10~15時の勤務なら、この時間内で一斉に休憩時間を付与します。労働基準法では労働時間が6時間超の場合は45分、8時間超の場合は60分を休憩時間と定めています。

 しかしスーパーフレックスになると、社員がそろうコアタイムがありません。出勤時刻がバラバラなので、隣の社員は勤務中、自分は休憩中といった複雑な状況になります。この場合、社員に休憩時間の設定をゆだねる措置を、労使協定によって取り決めなければなりません。

 社員にとっては出退社時間を自由に決められるスーパーフレックスですが、職場の管理職にとっては頭の痛い制度でしょう。コアタイムが無いので2~3時間ほどの勤務で退社する社員が出てくるでしょう。在席する時間帯が不明だと管理上プロジェクトの進捗にも支障が生じます。出退勤の予定時刻についてもチーム内でしっかりと共有する必要があると思います。