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Q. 中堅メーカーに勤務しています。当社はたばこ休憩を認めていますが、人事部が、昨今の受動喫煙問題から屋内と敷地内を全面禁煙する方向で検討していると聞きました。来年度からたばこをやめたら禁煙手当、そして禁煙外来にかかればその費用を会社が負担する案が浮上しているそうです。自分はもともと吸わないのに、喫煙者は禁煙に取り組めば禁煙手当をもらえるのが不公平だと感じます。

 会社は、禁煙した社員にだけ禁煙手当を出す運用は避けるべきです。手当支給で給与に損得が生じますので、非喫煙者が「損だ」と思うのは当然です。

 2020年4月から改正健康増進法が施行されます。会社は受動喫煙の防止対策を講じなければなりません。そうした状況下で禁煙手当、禁煙成功手当(一時金)や禁煙外来の費用を支給し禁煙推奨しようという会社があります。

 いろいろ考え方がありますし、筆者も顧客から類似の相談をしばしば受けます。個人的には、子供へのご褒美にあめをあげるようなやり方を勧めていません。もう皆、社会人で大人なのにと思ってしまいます。

手当は非喫煙者にも一律支給に、非正規社員も含める

 禁煙手当は月1000~3000円を一定期間、禁煙成功手当や禁煙外来の費用補助で1万~2万円といったところでしょう。

 まずは禁煙手当についてです。例えば禁煙手当3000円を禁煙開始後1年間支給すると、喫煙者と非喫煙者とに年間3万6000円の賃金差が生じます。これでは、非喫煙者から不公平だという意見は当然上がります。また課長以上にだけ支給する、役職で手当額に差をつける、非正規社員に支給しないなども問題になります。

 この手当は福利厚生手当ですから、同一労働同一賃金の考えからパート社員や契約社員など非正規社員にも適用しなければなりません。結局、非喫煙者と禁煙を始めた社員を合わせた全員に一律支給する必要が生じてくるでしょう。