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Q. IT機器の営業をしています。会社から一時金として支給された過去の報奨金で、控除忘れの社会保険料を徴収したいと連絡がありました。事務担当者に確認したところ、社員に支払った一時金の報奨金も賞与同様に社会保険料を納付するよう、年金事務所から言われたとのこと。会社のミスです。なんだかすっきりしません。いかがでしょうか。

 年金事務所の調査に立ち会うことがあります。徴収は原則2年前まで遡って支払うことになります。会社には社会保険料(厚生年金保険料や健康保険料)の対象か否かで迷うような、不明瞭で曖昧な手当が存在することがあります。

 曖昧で判断に迷う場合、筆者は複数の年金事務所に問い合わせることや、年金機構本部に照会してもらうことがあります。法令などは細部にわたって記載されているわけではありません。判断に迷うような複雑な事案も現実に存在するので確認は必要だと思うからです。

 相談のケース以外にも社会保険料の追加徴収例はあります。事務処理のミスで会社が全額を負担するケースも多くあります。いずれにせよ追納は必要です。会社とよく話し合ってください。

報奨金や年末年始手当は給与か賞与か

 社会保険料がかかる報酬は「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもの」とされ一定額の社会保険料が控除されています。そして年3回までの賞与については、その額に応じて都度の個別計算で社会保険料を控除します。

 恩恵的な祝い金や見舞金を除いて、ほぼすべての手当が控除の対象に当てはまるように思います。祝い金や見舞金でも常識の範囲を超えた金額なら賞与だと判断される可能性はあります。

 質問者のケースでいう報奨金の中身が不明ですが、販売のインセンティブ手当だとすると賞与扱いで社会保険料がかかるでしょう。

 年末年始手当については、皆が休んでいるのに出勤してもらい申し訳ないという意味で手当を出している会社があります。これらが休日出勤の賃金として給与規程に明記されているなら賞与ではなく給与として処理できるでしょう。給与扱いなら定額の社会保険料なので追加徴収はありません。条文の例としては、休日の残業割り増しとして「元日100%、2日と3日は80%を加算する」といったものです。ないのであれば賞与として計上し、別途社会保険料を納めなさいと言われても仕方がないと思います。