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Q. IT企業に勤務しています。プライベートで会社を休みたく欠勤扱いにしてほしいと申し出ましたが、上司から「有給休暇を取りなさい」と強く言われました。有給休暇が残り少ないので使いたくありません。強制されるのはおかしくないでしょうか。

 本人が有給休暇の取得を拒み、欠勤を望んでいる状況ですね。上司は有給休暇の取得を部下に強制できません。しかし、筆者も欠勤より有給休暇を取るほうがよいと思います。上司も質問者のことを考えて有給休暇の取得を勧めてくれているのかもしれません。欠勤は、人事考課で減点材料です。賞与も減額されます。

 質問のケースは事前申請しているので単なる欠勤になります。なお無断欠勤は連絡なしに休むことであり、社会人として行ってはいけません。

有給休暇、使うか否かは社員の判断

 有給休暇を取得する権利は社員のものです。会社が指定する有給休暇の計画付与などを除き、有給休暇を取るか否かは社員の自由です。有給休暇を取得する理由を上司に明らかにする必要もありません。いまだに有給休暇を取得する理由を聞く会社が存在するようですが、理由を聞いて何をしたいのか意味が分かりません。理由によって取得を拒否することはできないのですから。

 ただし、有給休暇を取得する申請期限については会社が定めているルールに従う必要があります。例えば「明日から2週間休みます」と急に言ったら、業務を引き継ぐ時間もなく、同僚たちは困ります。よって会社は、申請を何日前までに行うといったルールを決めているわけです。1日の休暇なら前日までに申請、5日以上の長期休暇については2週間前までに申請するというようにです。

欠勤は有給休暇と同じではない

 質問者のように有給休暇を使いたくない、欠勤にしてほしいという社員がいます。いざというときのために有給休暇を残しておきたいのでしょう。意外とこのように考える社員がいるようです。有給休暇を使い切った後で、仕方なく欠勤にすればよいのにと筆者は思います。

 欠勤は有給休暇とは違います。自由に欠勤できるわけではありません。欠勤するときは理由が必要になります。通常、多くの会社では欠勤届に理由欄があると思います。

 入社間もない社員(通常、有給休暇は入社6カ月後に付与)や有給休暇を使い切ってしまった社員は、ケガ・病気や用事などで欠勤する場合があります。こういったやむを得ないときに欠勤届を提出します。デートや趣味のためなどという理由で欠勤しないほうが賢明です。