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Q. メーカー勤務のSEです。設計やドキュメント整理で自宅勤務(テレワーク)をしています。仕事が少ないとき、家で暇そうにしていると妻から家の用事を手伝ってと文句を言われます。3度の食事を用意するのも毎日となるとおっくうなようです。家にいるので小遣いはカットされています。冷房で電気代も増えます。普通に会社に行きたいです。

 テレワークをしたいという相談が多い一方で、少数ですが会社に行きたいという相談を受けます。コロナ禍により水道光熱費や通信費などの費用負担に関する規程もなくテレワークを緊急スタートさせた企業も多いようです。これからは夏本番、自宅勤務中の冷房の電気料金もばかになりません。会社はそろそろテレワークの明確なルールを整備しなければなりません。

会社は自宅勤務を強制できるのか

 契約書などに記載のある勤務場所は、会社(勤務先)の所在地になっています。採用募集や労働契約書の勤務場所には本社や支店、工場、店舗といった記載がされているはずです。自宅勤務がある旨の記載がありません。そもそも自宅勤務という単語が規程や契約書のどこにも書いていない場合が多いのです。

 勤務場所を会社と明記しているので、会社は社員に対して自宅勤務を強制することはできません。勤務場所や勤務ルール、費用負担については就業規則や労働契約書への記載が義務付けられています。コロナ禍で緊急時ということで規程に明示なく運用していたとしても、そのままの状態はよくありません。

 強制するのであれば、「自宅勤務を命ずることがある」という記載が必要です。現実的にはテレワークは社員申請による許可制の会社が多いので、「会社が認めた場合にテレワーク勤務を行うことができる」といった表現になるでしょう。

 質問者の会社がテレワークを許可制にしていれば、自宅勤務を「する」「しない」はご自身の判断です。嫌なら申請せずに会社に行けばよいわけです。ただ緊急時である今回のコロナ禍による会社からの要請には、理解も必要です。