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Q. 新卒で入社し、SEとして20年ほど勤務しています。希望していないのに営業部門へ異動になりました。40代半ばで、経験のない営業の仕事を覚えるのはつらいです。社交的な性格でもなく、初対面の顧客に会うのもおっくうです。職種が変わる異動に問題はないのでしょうか。

 異動には配置転換や転勤、職種変更などがあります。異動は、会社の判断で本人の適性や育成を考えて行うものです。組織の統廃合などで必然的に起こる場合もあります。

 SEから営業やスタッフ部門への職種変更を伴う異動、同じSEでも顧客対応部門から社内システムのサポート部門への配置転換など異動先はさまざまです。嫌がらせなど不当な異動でなければ、甘受するしかないでしょう。

 SEという職種限定の社員であれば、異動の撤回を求めることができます。ですが現実的に、職種限定だと約束されている正社員は少ないと思います。契約社員の場合は、労働契約書に職種や業務内容が書かれています。そこに「SE職として勤務」と限定的な記載があれば本人の同意なく職種変更はできません。

そもそも組織改廃はある、将来は分からない

 例えば、会計パッケージの開発SEの募集があり希望通り入社しても、会社がそのパッケージの開発や販売から撤退すれば他の部門へ配置転換になります。会社なので組織やビジネスの統廃合は起こるものです。

 またSE職と分類されていても業務内容は多種多様です。おおざっぱにSEだというレベルの切り分けではないでしょうか。SE職が設計中心の開発業務とは限りません。現実的にはプログラマー、システム営業、ビジネスモデルや商品企画、パッケージの導入支援や運用指導、電話やメールでの顧客向けQA対応やシステム教育、さらには社内システムの運用を行っているSEもいます。上級者ではプロジェクトマネジャーやシステムコンサルタント専任のSEもいます。

 業務内容が大きく異なるので、SEとしての異動でも質問のケースと同じような「望まない異動」について相談を受けることがあります。