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Q. 新卒入社で社会人1年目のSEです。同期入社で、同じ社宅の友人と10月の給与明細書を見せ合いました。入社して半年後もお互いの基本給は同じです。でも、健康保険や厚生年金の保険料が私のほうが高いのです。なぜこうなるのでしょうか。

 質問者のほうが、友人より入社後の残業が多くて4、5、6月の給与が高かったと推測します。参加するプロジェクトの負荷が高かったのかもしれません。通勤手当を含めた4、5、6月の給与の平均額を基に社会保険料が決定します。そして、10月の給与から新しい社会保険料が徴収されるのです。

 入社したてのときはこの期間はまだ働いていないので、平均が算出できません。基本給や通勤手当などから決めていますので、そのときは同額の社会保険料だったはずです。

 通勤手当は手元に残るお金ではないのに社会保険料がかかるのはおかしいという愚痴をよく耳にします。社会保険制度上、仕方がありません。

 人事考課が反映されるようになると、給与や賞与明細書の見せ合いはしなくなるかもしれませんね。今がいい時期です。

通勤費にも社会保険料がかかる

 社会保険料(健康保険や厚生年金保険)は毎年1回計算され、決定します。これを定時決定と言います。毎年、定期的に見直すのです。具体的には4、5、6月の給与平均額により新しい社会保険料を決定します。

 9月に改定があります。翌月徴収のしくみなので10月支給の給与から控除されます。会社によっては、当月徴収している場合もあります。

 給与の平均額のことを標準報酬月額と言います。これには通勤手当も含まれます。通勤手当は定期券を買えば手元にお金は残りません。不思議ですが、この通勤手当にも保険料がかかります。

 一方、通勤手当には所得税はかからないと考えてよいでしょう。通勤手当の非課税限度額は、電車など交通機関によるもので月額15万円。現実的に、通常の社員は非課税です。社会保険料と同様に所得税も源泉徴収され国に納めます。社会保険料との制度による相違点です。

 なお、決定した社会保険料は1年単位で適用されます。年の途中で、昇給や降給があり大幅に給与支給額が変わったときも、社会保険料を見直します。これが月額変更です。

新入社員は「資格取得時決定」で社会保険料を決める

 新入社員で入社したときは、4、5、6月の給与平均を計算できません。そのため、会社からの申告資料に基づいて入社時に社会保険料が決められます。これを資格取得時決定と言います。基本給や通勤手当の合計額から社会保険料を決定します。

 そのころに友人と給与明細書を見比べて、基本給が同じなのに手取り額が違う場合は、通勤手当の差異だということです。質問者は、同じ社宅から通っているので同額の社会保険料だったはずです。