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Q. メーカー勤務のSEです。午前中は会社で働き午後は自宅でテレワーク、あるいはその逆という「ハイブリッド勤務」体制を会社が導入しました。会社から自宅への移動も労働時間になります。遠距離通勤の社員は、昼食後の移動で自宅に着いて2時間ほどで定時終了。私はフルタイムで出社勤務しているので日中の移動時間がなく、損をしていると思います。

 筆者は、顧客先がテレワーク制度を導入するときに、質問のケースのような自宅と会社での同日勤務をやめるように助言しています。フルタイムで出社(あるいはテレワーク)勤務している社員との間で、どうしても不公平感が出るからです。

 このような運用の会社で類似のケースがありました。プロジェクトリーダーが現場判断で、メンバーに自宅と会社の同日勤務を禁止していたのです。これはこれで、会社が同日勤務を認めているのにおかしいというトラブルになりました。

会社と自宅間の移動は労働時間なのか

 始業時刻までに自宅から会社へ行き、仕事が終わったら自宅に帰ります。この時間は当然、通勤時間です。この時間を労働時間だと主張する人はいないはずです。質問のケースが複雑なのは仕事を始めた後だからです。始業後に支店や営業所に行くことを考えてください。別の事業所への移動は、労働時間になっているはずです。

 質問者の会社は、自宅も1つの「事業所」としてとらえて通勤時間ではなく、労働中の移動時間として扱っているのでしょう。その運用に問題はありません。

 質問者はその点を理解する必要があります。得だと思っている社員もいるはずで、質問者が損をしていると思う気持ちは分かりますが、会社がそうした勤務体制を認めているのですから我慢するしかありません。

自宅と会社での併用勤務は不満が出やすい

 しかし、現実的にフルタイムで働く社員が不公平に感じています。同じような不満の声が筆者に届きます。質問にある会社では、少数の社員しかこの制度を利用していないのでしょう。皆が利用すると、実質の労働時間が全員短くなっていることで、社内問題として取り上げられます。そこで経営者側も初めて実態が分かるのかもしれません。

 同日における自宅と会社での併用勤務は、質問のケースのように不公平による不満が出てきます。そういう意見が多い会社は、その制度をやめるべきです。

 一方で、自宅への移動を通勤時間として控除することを考える会社もあります。これも社員が不満に思い、新たな勤怠トラブルになる可能性があります。控除については、移動中に会社の指揮命令が及ぶ時間か否かの判断が必要です。そもそも控除のために勤怠管理や給与計算システムを変更してまで対応すべき制度なのかと、筆者は疑問に思います。パッケージの設定費用もばかになりません。