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Q. IT企業で部長を務めています。有給休暇の取得率が低いということで、会社から各部門に対し改善通知がありました。部員が体調不良の場合、コロナ禍の期間限定で新設した特別休暇(100%支給)利用やテレワーク勤務日として処理しているため、例年より有給休暇の取得率が低くて当然だと思います。

 新型コロナウイルスの感染は、誰もが気になるところです。風邪のような症状があれば、出社したいと言われても、周りの社員が不安になるでしょう。

 そこで特別休暇で対応している会社があります。IT業界はテレワーク率が高く、テレワーク勤務日で処理している場合も多いようです。体調不良のときに有給休暇を使わなくてよいので、有給休暇の消化率に少しは影響があると考えられます。

 筆者は、有給休暇を利用する場面が少なくなったのが最大の原因だと思います。旅行や帰省などを自粛している社員は多いです。質問者の会社は、特別休暇運用との両面で消化率がさらに低いのかもしれません。

コロナ禍における期間限定の特別休暇

 以前には、軽い風邪程度なら出社していた社員も多いはずです。2020年はコロナ禍で状況が一変し、症状により自宅待機を命じられる場合が多くなりました。この場合、会社は平均賃金の60%以上の休業手当を支給する必要があります。月額給与ベースの社員(例えば正社員)の平均賃金は、直近3カ月間の賃金総額÷直近3カ月間の総暦日数で計算します。

 10月、11月、12月の給与合計が92万円だったとします。92万円÷92日(31日+30日+31日)で1万円が平均賃金になります(出勤日数ではなく総暦日数で割る)。1日休むと、1万円の60%(6000円)以上の休業手当が必要になります。

 自宅待機命令で平均賃金の60%といった運用ではなく、コロナ禍の期間限定で有給休暇と同じ100%支給の特別休暇を新設した会社があります。大企業ではそういった運用が多いです。質問者の会社が、まさにそうです。

 社員は少し熱っぽい症状があれば、特別休暇で休めるわけです。会社側もここまでコロナ禍が続くと思っていなかったのでしょう。通常なら病気で休んでいた有給休暇分が消化率低下につながっている可能性はあります。