Q.プロジェクト会議をリモート運用で開催しています。以前は、リーダーを含めて数人が顧客先に訪問していました。今はリモート会議なので私も参加しています。海外との会議は、時差の関係で夜になることがあります。当然のように「明日はフレックスで遅く来るように」と言われます。会社都合のフレックスタイム制度になっていておかしいです。
海外との会議があるとのこと、大規模プロジェクトだと思います。システムを海外の工場や拠点に展開していた顧客の話を聞いたことがあります。時差の関係で、日本と現地とのリモート会議の時間帯に苦慮するようです。
さて、質問の件に回答します。結論から言うと、会社(上司)が間違っています。フレックスタイム制度は、出社や退社のタイミングを社員にゆだねる制度です。会社側が指定し、都合よく勤務させる制度ではありません。これでは単なる会社都合のシフト勤務です。
フレックスタイム制度とシフト勤務の違い
フレックスタイム制度の運用にはコアタイムとフレキシブルタイムがあります。コアタイムとは在席しなければならない時間帯である一方、フレキシブルタイムは出社と退社を自由にできる時間帯です。出社と退社が自由になるので、社員は自分の時間マネジメントが必要です。月の所定労働時間に不足しないようにしなければなりません。
コアタイムが、必然的に社員がそろって仕事をしている時間帯です。会社はこのコアタイムに休憩時間帯を設定します。例えば、11~15時はコアタイム、12~13時は昼休憩といった運用です。こうすることで社員が一斉に休憩時間を取ることになります。労働基準法では、労働時間が6時間超の場合は45分、8時間超の場合は60分の休憩時間が必要になっています。昼休みは60分で運用しないと15分の休憩管理が面倒です。出社時刻が違うので、15分の休憩が社員ごとに異なるからです。
一方、会社指示で勤務時間帯が月ごとに変わる運用があります。いわゆるシフト勤務で、例えば、翌月のシフト勤務スケジュールを社員ごとに周知している会社がこれに当たります。社員は自分の勤務スケジュールに従って働くことになります。
質問のケースでは、「明日は遅く(何時に)出社して」と上司が命令しています。フレックスタイム制度ではなく、会社指示のシフト勤務の状態です。上司の立場にある方は、夜に会議があるので、健康面の配慮から出社時間をずらしてほしいという姿勢で社員に接してください。社員も協力姿勢が必要です。