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Q.50人ほどのソフトハウスに勤務する27歳のSEです。現在、大手IT企業の下請けで、顧客先に常駐しています。下請け会社のSEだと顧客先は知っています。雑談時に「あなたの会社の売り上げは70万~80万円ぐらい?」と聞かれ、戸惑いましたが「はい」と答えました。後で発注元のIT企業のリーダーからこっぴどく叱られました。私は不用意だったのでしょうか。

 大手IT企業が、顧客先に提示しているSE単金が1人月150万円だったと仮定しましょう。質問者の下請けでのSE単金が70万~80万円だとすると、この大手IT企業は半分も利益を取っている売上構造だと分かってしまいます。それで叱られたのです。

 顧客も通常は口に出しませんが、IT企業が利益を取ることは分かっています。顧客側にはITベンダーからの転職者もいるでしょう。また、付き合いが長い顧客においては、おおよその金額構造まで知っていると思います。

 筆者は顧客から、大手IT企業を通さずに直接ソフトハウスと契約したいと愚痴を聞くことがあります。現実的にノウハウがあり頼りにしているのはソフトハウスのSEで、大手IT企業のSEは、顔がよく見えない管理面の作業だけやっていると見抜かれている場合です。特に保守フェーズで下請け会社のSEに任せっきりという状態では直接契約したいとなるようです。

システム開発では下請け会社のSEが多い

 大手IT企業のシステム開発では、普段から下請け会社を利用しています。単価の安い下請け会社を利用するほど利益が出ます。SE部門で利益を取って、営業部門でさらに利益を乗せるので顧客先への提示額は大きくなります。

 ただ、見積もりやプロジェクト体制図では、実際の作業を担当するのが下請け会社のSEだとは顧客側は分からないでしょう。見積もりは「SEを何人月投入する」という工数と費用であり、SEの身分まで書いていないからです。現実には、誰が下請け会社のSEかということは顧客との付き合いの中で分かります。

 下請けのSEは常駐することで、顧客側の社員らと仲良くなります。保守フェーズも含めて、長く常駐すると仲間意識も生まれるはずです。顧客先の社員と上司部下のような意識を持つ関係になることもあります。

 それでも、質問者が答えた売上高に関する情報は、システム開発の裏事情のことを含めて顧客先で話すべき内容ではありません。顧客側もそういった会話は避けるべきでした。質問者も受け答えに困ったと思いますが、顧客先で余計なことは言わないようにしなければなりません。発注元のIT企業や顧客先から口の軽いSEだと思われないようにしてください。