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Q.ITベンダーに勤務しています。今年、マネジャーに昇格しました。プロジェクト内にもう1人、専門職のマネジャーへの昇格者がいます。同期で友人でもある彼のほうが今月の給与(手取り額)が多いです。専門職の場合、休日出勤手当があるからです。私も同じ日数の休日出勤をしましたが、手当はありません。どうも、ふに落ちません。

 質問者の会社では、同期の友人は管理監督者に当たらないとしているのです。休日出勤の手当を支給している運用は正しいといえます。同じマネジャーでも、質問者は管理監督者で、彼は違うということです。

 マネジャーという呼び方が、管理監督者だという誤解を生むのです。マネジャー(課長)昇格試験後は、会社は専門職の社員について役職名称を変えたほうがよいです。専門職は「上級エンジニア」や「上級コンサルタント」など専門分野的な呼び方にすることをお勧めします。管理職から専門職に、専門職から管理職に、転換することもあり得ます。そのときは、また変えればよいのです。

 「マネジャー(課長)昇格試験」という呼称も、例えば「上級職昇格試験」というように改めておくほうがよいと筆者は思います。

マネジャーが労働基準法上の管理監督者とは限らない

 一般的に、管理職になると残業手当はつきません。残業や休日出勤の手当は、労働基準法上の管理監督者には支給しなくてもよいからです。

 管理監督者のことを、会社では「管理職」と表現しています。しかし、会社が管理職をイメージする役職名を与えても、その社員が労働基準法上の管理監督者に該当するとは限りません。

 「名ばかり管理職」という言葉があります。一般職と比較して管理職だといえるほど賃金に差がない、部下もいなくて人事権もない、勤務時間が厳格に指示されている、部や事業部などの経営計画に参画していないというような人です。

 労働基準監督署から「名ばかり管理職ではないか」「会社が定義する管理職と法律上の管理監督者は違う」と指導されることもあります。

 質問者の会社ではマネジャー試験をへて昇格しても、専門職エンジニアは法律上の管理監督者ではないとしているのです。世間の事情や社員からのクレームを考慮して、社内の役職資格はマネジャーでも休日出勤手当を支給しているわけで、法令的に正しい運用だといえます。

 筆者の知る複数のIT企業では、専門職のマネジャーに休日出勤手当を支給しています。現実的には裁量労働制を適用して運用している会社が多いです。

 裁量労働制は実際の勤務時間に関係なく、みなし労働時間(例、1日8時間)で働いたとするものです。会社は裁量労働制であっても、深夜時間帯(午後10時~翌朝午前5時)の25%割り増し分と、休日出勤の手当については別途支払わなければなりません。

 なお、管理職のマネジャーにも深夜時間帯(午後10時~翌朝午前5時)の25%割り増し分は支給する必要があります。