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副業先の給与は確定申告が必要

 筆者は、IT企業在職中に、総務省の職員として短時間勤務をしていた時期があります。その分、本業(IT企業)の勤務日数を調整してもらっていました。本業であるIT企業と総務省の2カ所からの給与支給だったので、質問者と同じような状況です。

 ここから本業/副業の給与を考える際、避けることのできない「所得税」の扱いについて整理します。毎月の給与で、源泉徴収されている所得税は「給与所得の源泉徴収税額表」から算出されます。税額表には、甲欄や乙欄の所得税があり、同じ給与だとしても、甲欄より乙欄の所得税のほうが高くなります。当時IT企業と総務省という2カ所で勤務していた筆者の場合、総務省側で給与から引かれる所得税は乙欄の金額だったことになります。

 従業員は「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出することで甲欄の所得税になります。これは、1つの会社にしか提出できません。本業の会社に提出しているはずなので、副業先では乙欄の所得税が適用されるわけです。

 年末調整は甲欄の会社分しかできません。中途入社で、前職会社の源泉徴収票が甲欄のときは、合算して新しい勤務先で年末調整をしてもらえます。副業分は乙欄の所得税になるので、質問者は別途、確定申告が必要です。

 副業をする社員は増えているようです。年末調整だけでなく、確定申告で悩むケースが多いと思います。分からないときは、税理士や税務署に問い合わせましょう。税務署に電話すると、ガイダンスが流れます。一般的な相談は、国税局の電話相談センターにつながり、職員が回答してくれます。

杉本 一裕(すぎもと かずひろ)
人事コンサルタント。大阪府立大学大学院 経営学修士(MBA)修了。IT企業在職中は人事コンサル業務に従事するとともに、人事給与パッケージの開発・サポートグループのPJリーダー、管理職を務める。1990年社労士、2006年特定社労士に登録。2007年には消えた年金問題で総務省 大阪地方第三者委員会調査員を兼務する。その後退職、社労士と行政書士事務所を開業し現在に至る。幅広い業種の顧問先対応において運行管理者(旅客/貨物)、衛生工学衛生管理者の視点からのアドバイスも行っている。