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Q.60歳で定年退職し、そのまま同じ会社に再雇用で勤めています。現役のときはSEでした。現在は、プロジェクト全般のサポートをする運営事務局の仕事をしています。役割や職務は変わりましたが、労働時間は同じです。新たな労働条件の下で、基本給が下がるのは納得しています。でも、先日、忌引休暇を取ろうとしたところ、再雇用者にはない制度だと言われました。これは差別であり、理不尽ではないでしょうか。

 この会社では、忌引休暇のほか、結婚休暇などの特別休暇そのものがないようです。再雇用者というより、パート社員も含めた有期雇用社員には用意されていないのでしょう。特別休暇は正社員だけが利用できるという限定特典はいただけません。お怒りになるのはごもっともです。

 特別休暇は、本人の能力や業績によって与えられるものではありません。質問者は、プロジェクト運営として受注時のリスク分析や、納品するシステムの品質レビュー会議の開催準備、議事録作成など事務局の役割を果たしています。現役SEのように自ら設計は行っていませんが、労働時間など勤務条件は、正社員時代と同じです。正社員と同じ勤務条件なので、会社は同じ日数の忌引休暇を再雇用者(質問者)に用意しなければなりません。

「同一労働同一賃金」のルールに反する

 福利厚生として、特別休暇制度を設けている会社があります。ここには忌引休暇や結婚休暇などが含まれます。福利厚生手当では、香典、結婚手当、配偶者手当、家族手当などがあります。質問者はこれらの手当もなくなっている可能性がありますので、ご確認ください。

 上記のような福利厚生関係の休暇や手当は、会社が任意で支給しています。福利厚生手当を支給しなさいと法律が定めているわけではありません。このような手当がない会社もあります。支給条件は各社で異なります。

 家族手当の場合、年齢や扶養の有無、対象者の収入を条件とするのが一般的です。例えば、子供の場合は「健康保険法上の扶養家族に該当する22歳以下の子供」というように限定して支給しています。

 「同一労働同一賃金」のルールは、正社員か有期雇用者かを差別することなく支払いましょうというものです。条件に合えば有期雇用の社員にも支払うべきです。質問者は定年退職して、再雇用者として新たな雇用契約を結んで働いているので、有期雇用社員です。1年単位の有期雇用契約の更新で65歳まで働けるというルールにしている会社が多いです。

 責任や能力、業務範囲で基本給に差をつけるのはかまいません。しかし、福利厚生手当は責任や能力などに関係なく、条件に合えば一律に支払われる手当です。条件以外の理由で支給差別してはいけません。

 一律なので、支給があるのかないのかが一目瞭然です。正社員と同じように働いているのに、有期雇用社員への支給がなければ「差別されている」と質問者が思うのは当然です。