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Q.社長を含め、ITエンジニア5人のソフトハウスに勤務しています。女性エンジニアは私だけです。職場はマンションの事務所利用で、トイレは1つしかありません。このトイレがよく小便で汚れており、同僚と一緒に使用するのがストレスです。私は、ひどく汚れているときのほか、女性の事情もあり近隣の商業施設も利用しています。それでも事務所のトイレを放置できず、ときどき掃除していましたが、今では掃除当番のようになっています。男性には座ってしてほしいですし、掃除する身にもなってほしいです。

 同じトイレ構造の事務所を利用する知人のソフトハウスを訪問したことがあります。そこではトイレの前に立つと正面に貼り紙があり、「お小便は座ってしてください」と書かれていました。ソフトハウスのほか、他の業種でもこういった構造の事務所はたくさんあります。書いていて少々恥ずかしいですが、トラブルの種として意外に相談があるので、紹介します。

会社のトイレの設置は法令で決められている

 会社(事業所)のトイレの設置は、労働安全衛生規則(628条)や事務所衛生基準規則(17条)に定められています。その条文に、男性用女性用とを区分することや、トイレの数などについて明記されています。

 トイレの数は男性用の大便所であれば労働者60人以内ごとに1つ以上となり、小便所の数は30人以内ごとに1つ以上です。女性用トイレの数は労働者20人以内ごとに1つ以上が必要です。

 質問者の会社はトイレが1つなので男女別ではありません。マンションタイプの部屋を事業利用で賃貸借契約した場合、そういった状況になります。現実的にトイレを増やすことはできません。

 現実的な事情から、2021年12月より、労働者が常時10人以内のとき、例外的に男女別のトイレ設置は要しないとされました。原則は男女別々なのですが、男女別にトイレを設けることが困難な場合を考慮した結果です。それでも、男女別々のほうがよいに決まっています。

 質問者は、トイレの数については、現在ある1つで我慢するしかなさそうです。一方「トイレの汚れ」については改善できます。ストレスは体によくありませんので、男性も含めてトイレを交代で掃除するよう、社長に進言してください。そして、座ってきれいに使うことを皆に伝えてもらいましょう。

 男性が立ったままの姿勢で小便をすると跳ねます。便器の外を汚すこともあるでしょう。誰もが質問者同様に、その後の使用や掃除をするのが嫌なはずです。

 質問者は男性と同じく、SEやプログラマーとして仕事をしています。掃除することを契約して入社しているわけではありません。特定の女性がトイレ掃除をするのは平等ではありません。男性が汚しているので、なおさらです。