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Q.部長職に昇格しました。名刺の役職名がプロジェクトマネジャーからシニアマネジャーに変わりました。語尾が同じマネジャーという記載です。昇格して偉くなったのかどうかが分かりづらいので「部長」への変更を希望したところ、それは使えないと会社に言われました。組織表に記載されている役職名を使用するとのこと。顧客や知人との名刺交換の際に「シニアマネジャーとは部長のことです」といちいち補足しています。自前で名刺を勝手に作りたいです。

 筆者がIT業界の人たちからいただいた名刺は約1000枚あります。会社を退職して、社会保険労務士として独立後に名刺交換した分です。IT企業が主催するセミナーイベントで講演したときや、ITエンジニア向けの研修講師を務めたときなどにいただいた名刺が多いです。

 語尾が「マネジャー」や「エキスパート」など、長いカタカナの役職名はたくさんあります。質問者が気にしている職位(地位)の上下関係まで分かるのは、同じ会社の同僚だけではないでしょうか。職位と役職名との位置付けは会社によって異なるからです。

 名刺を受け取る側は、そこまで気にして確認しないことがほとんどです。質問者は少し役職名にこだわりすぎではないでしょうか。顔と個人名を覚えてもらうことを優先したほうがよさそうです。役職名はよく変わりますが顔や個人名はほぼ変わらないからです。

IT企業は地位より役割が分かる名刺が多い

 IT企業に勤める社員の名刺を眺めると、地位よりも役割を重視した役職名になっていると思います。「役割名」というほうが妥当かもしれません。単に「部長」や「課長」というより、少しでも役割が分かります。

 筆者の手元の名刺で、マネジャーなど管理職レベルだと思う役職名をざっくりですが確認してみました。マネジャーという単語は「マネージャ」「マネージャー」と会社によって表現が異なります。ここではマネジャーとします。

 ゼネラルマネジャー、統括マネジャー、チーフマネジャー、シニアマネジャー、シニアコンサルタント、シニアビジネスコンサルタント、シニアエバンジェリスト、グループマネジャー、シニアプロダクトマネジャー、プロジェクトマネジャー、エリアマネジャー、コンサルティングマネジャー、アソシエイトマネジャー、チーフエンジニア、シニアエンジニア、シニアエキスパート、テクニカルエキスパート、チームリーダーなどがあります。シニアという文字がない、単にマネジャーやエキスパート、エバンジェリスト、コンサルタントだけの名刺もあります。

 部長や課長、マネジャーと記載された社員が混在しているIT企業もあります。その違いは社外の筆者には分かりません。

 会計シニアコンサルタントや会計コンサルタント、会計ソリューションコンサルタントというように業務名が付く名刺も多いです。会計シニアコンサルタントが部長級で、会計コンサルタントが課長級の専門職だと推測します。とはいえ、職位と役職名の定義には会社による違いがあり、各社共通ではないためどうしても推測になってしまいます。ほかにも、エグゼクティブ、ディレクター、コーディネーターと付くものなどがありますが割愛します。

 質問のケースでいうところの「部長」は、部内の課長(マネジャー)を統括する役割で統括マネジャー、複数いるマネジャーのリーダーという役割でチーフマネジャーやシニアマネジャー、部門というグループを管轄するといったグループマネジャーが該当するのでしょうか。ゼネラルマネジャーは、複数の部門を管理する統括部長や事業部長、本部長クラスだと思います。

 余談ですが筆者は、相手への敬称を会話では「○○さん」、メールでは「○○様」としています。役職名は入れません。役職名は長く、種類がたくさんあり、覚えられないからです。名称は職務や役割変更でよく変わります。

 名刺には役職名のほか部門名が記載されています。例えば、会計システム部なら、その名の通り会計システムをサポートする部門だと分かります。具体的で、社外の人には分かりやすいです。役職名も同じです。所属部門の業務内容とその社員の役割が、名刺を見ればすぐ分かるほうがよいと思います。