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Q.パッケージの導入サポートをしているシステムエンジニア(SE)です。情けないですが、遅刻原因の始末書を過去に2度提出しています。今回ばかりはかなり叱られました。午前9時から顧客先で作業予定だったところ、寝坊してしまい、起きたのが11時だったのです。顧客から連絡を受けた上司は私に電話したそうですが、スマートフォンをかばんに入れっぱなしにしていて気づきませんでした。この件で、始末書の提出と2日間の出勤停止処分になりました。始末書、出勤停止と重ねて罰を受けた気分です。これは二重処罰の禁止に反しないのでしょうか。

 「二重処罰の禁止」とは、処罰が決定した後に、さらに後付けで罰を与えることはできないという原則です(「一事不再理の原則」)。会社が行う懲戒処分もこの考え方によります。

 例えば、ある社員が先月に何回も遅刻したことで始末書を提出して、処分終了となったとします。会社はその後、さらに出勤停止処分を加えることはできません。

 質問者は、けん責処分(始末書の提出)と出勤停止処分が同時に行われています。これを二重処罰の禁止に該当するのではないかと思っているようです。

始末書と出勤停止はセット

 SEは残業が多い職種だと思います。遅刻の原因が過重労働であるのなら、会社としては労働環境の見直しが必要です。しかし、質問者の遅刻は過重労働が原因ではなく、単なる寝坊のようです。

 会社の懲戒処分には、軽いものから順に下記のものがあります。

  • ・けん責(始末書を提出させて反省を促す)
  • ・減給(始末書を提出させて一時的に減給する)
  • ・出勤停止(始末書を提出させて出勤停止する)
  • ・諭旨解雇(懲戒解雇相当の事由がある場合で、退職するように勧告する)
  • ・懲戒解雇(解雇する)

 減給や出勤停止の処分を行うときは、始末書も提出させて反省を促します。質問者の場合、始末書の提出と2日間の出勤停止処分がセットであり、二重処罰ではありません。

 質問者は、上司に何度も「遅刻するな」と口頭注意を受けてきたはずです。遅刻癖が改まらないので、過去に始末書を提出してきたと推測します。

 それでもなお改善されず、今回は遅刻により顧客にも迷惑をかけています。始末書だけでは不良な勤務状況は改善されないと会社は判断し、出勤停止処分となっているのです。処分の決定においては弁明の機会が与えられますが、理由が寝坊では弁明の余地はなかったと思います。