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Q.システムエンジニア(SE)です。社内の給与資格は初級SE(B級)になります。昇格するとA級になります。昇格対象者になるには複数の条件があります。いずれか1つはクリアしておかなければなりません。私の場合、A級になるには推奨資格である基本情報技術者試験、その上の中級SEになるときは応用情報技術者試験の合格が現実的です。昇格に必要な試験を受けるのに受験代は自己負担です。会社が負担してほしいです。

 IT資格について取得者数の一覧を自社のWebサイトに掲載しているIT企業があります。社員が取得した資格を経営のアピール材料に使っているのです。社員が有する資格や能力は人的資本ですので、受験代などは投資だと考えるべきです。

 受験代の負担条件など検討は必要ですが、IT企業は前向きに支給運用の方向で取り組んでほしいと思います。

その受験は強制か任意か

 資格がなければ業務に就かせられないとして、会社が強制的に業務命令で取得させる場合は受験代を負担すべきです。受験が任意の場合、受験代を負担する会社は少ないでしょう。

 質問者の会社において、受験は強制ではないということです。質問者は自分の意思で受ける/受けないを選択できます。昇格するための条件も、複数用意されているようです。人事考課の結果による推薦、国家資格以外のIT関連資格の取得、簿記を含め他のいろいろな検定試験の合格による代替えもあるとのことです。

 受かりやすい資格2つの取得で可とするようなパターンがたくさんあります。技ありの資格2つで「一本」といったところでしょうか。

 救済措置の対象となる資格がたくさんあり、業務と関連性が薄い資格も対象になっています。会社としては、救済措置の資格も含めて受験代を負担することはないはずです。

 IT資格について取得者数の一覧をサイトに掲載しているIT企業は、掲載資格の受験代を負担してはいかがでしょうか。

受験代の支給条件は明確に

 受験の申し込みをしても、やる気のない社員はいます。周りも受けるので申し込みはするが、まったく勉強しない社員です。そういった社員は、試験日に欠席する可能性が大です。試験勉強という苦労をしていません。それに費やした苦労が水の泡にならないように、絶対に受かるんだという気概がありません。

 IT業界に限らず、質問のケースと同じ相談はたくさんあります。筆者の顧問先企業で導入した支給方法を紹介します。それは「合格した回の受験代を支給する」というものです。

 受験代の申請書に合格証書の写しを添付します。支給対象とする資格は、会社が取捨選択して決定します(検定試験まで入れると、かなりの数になります)。筆者はこの支給運用をお勧めします。

 いずれにせよ、会社側は支給条件を明確にして運用を開始しなければなりません。明確な支給条件を事前に社員に通知しておかないと、後々たいへんです。「病気で欠席したときの受験代はどうなるのか」「休日出勤と重なって受験できなかったが負担してくれるのか」「資格取得を推奨する以上は、試験日の休日出勤は禁止と全社的に通知してほしい」などの問い合わせや意見が多々寄せられるはずです。