Q.中間管理職のシステムエンジニア(SE)です。所属部門のプロジェクトの1つが、スケジュール遅延とシステム不具合だらけです。部長の要請で対応中ですが、交通整理だけでも大変です。プロジェクトリーダーの負担を軽くするために火消し要員として他部門のSEも投入されました。うち1人は同期入社の友人です。そのメンバーと私が、不具合原因の切り分けやプログラミング会社への指示、スケジュール管理をしています。デバッグも行い貢献しましたが、冬の賞与額は友人SEのほうが上でした。応援要員のほうが評価されやすい気がして不満です。
通常、賞与は会社の業績を考慮して支給されます。もうかっていると増え、経営不振のときは減ります。
一口に会社と言っても、もうかっている事業部とそうでない事業部があります。会社から見たトータル賞与額は同じでも、もうかっている事業部への配分を多く、赤字事業部への配分を少なくするといった調整をすることがあります。
管理職になると、組織的な事情によって賞与額が上がったり下がったりするものです。質問者は中間管理職だとのこと。所属部門や事業部の予算達成状況は把握しているはずですので、確認してください。
質問者は、同期や同じ役職のエンジニアと賞与を比べたいのであれば、同一組織内で比較するのが妥当です。もしかすると、質問者の賞与額は同一組織内では高いほうなのかもしれません。
名指しで投入されるSEのトラブル対応は目立つ
さて、個人的な評価においては、火消し役で投入されたSEの評価は高くなるのでしょうか? 一概には言えませんが、高い評価となる傾向があるようです。大規模な炎上プロジェクトの火消し役になると、目立つのでなおさらです。
売り上げがそれぞれ2億円であるプロジェクトAとBがあったとします。プロジェクトAの進捗は順調です。
Bは炎上中で、協力会社や他部門からの応援要員を多数投入しています。長引けば長引くほど、赤字がどんどん拡大するプロジェクトです。こうなると、プロジェクトBの軌道修正を行ったほうが、どうしても目立ちます。事業本部や事業部会議で、毎回の報告事案となっているからです。皆から注目されているので、当然なのかもしれません。
火消しのキーマンだとして名指しで投入されるSEは、もともと優秀なので評価は高いはずです。火消し役で、さらに高評価を得ることになります。一方、人海戦術で投入される大勢の応援SEの1人にすぎない場合は、目立ちません。
炎上もいつかは消えて収束します。その功を担ったSEだとして評価されやすいのは事実です。本来、そのSEには無関係のプロジェクトなので、投入されて気の毒だという評価者の計らいもあると思います。
質問のケースと同じような炎上プロジェクトは、どこのIT企業にもあります。昔話ですが、応援側のSEに「つらくないですか」と聞いたことがあります。「一番つらいのは、このプロジェクトのリーダーや開発メンバーです。自分に責任がないプロジェクトなので気は楽ですよ。現メンバーたちは、頭が回っていないので助けてあげないと」と答えていました。それでも、つらいだろうなと内心思ったものです。