Q.ITエンジニアです。顧客と定例の進捗会議が月に1回あり、顧客側の総括責任者である役員も出席します。会議を担当する弊社の同僚が前回、有給休暇を取りました。「外せない急用ができた」と数日前、上司に休暇を願い出たそうです。急きょ、事前準備や進行役を私がカバーすることになりました。後日、同僚が言うその「外せない急用」は、ゴルフだったことが発覚。一緒に行った他のメンバーがSNS(交流サイト)でゴルフの様子を投稿して分かりました。非常識すぎます。仕事が増えて大迷惑だったので腹が立っておさまりません。懲戒処分にしてほしいです。
一緒に行ったゴルフ仲間がSNSに投稿して、同僚がゴルフのために休暇を取ったと分かったとのこと。SNSを利用する人は多く、このようなトラブルが起こっても不思議ではありません。
仕事で迷惑を被った質問者の立腹する気持ちは理解できます。ゴルフに行った同僚はあらかじめ進捗会議の対応を命じられていました。上司は、会議日の出勤を命じているので、その同僚に対し、取得する日を変更してもらうことも可能でした。急用がゴルフだとは思わなかったのでしょう。
特定日を除き有給休暇の取得は自由
労働基準法第39条に「使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」とあります。有給休暇を取得する権利は、法律で守られています。取得理由は関係ありません。理由によって有給休暇が認められる・認められないとなれば、従業員の権利を害することになります。
会社の有給休暇の申請ルールを守っていれば、社員は誰でも自由に取得することができます。ルールは就業規則に定められています。例えば、1日の有給休暇は前日までに申請する、あるいは3日以上の有給休暇は2週間以上前までに申請するといったことです。
取得は自由だといっても例外はあります。例えば質問のケースのように、指定されていた進捗会議があり、重要なポジションでの出席が決まっている場合です。ほかにも出張や教育関連の研修受講、システムの本番稼働日の立ち合いといった特別な業務対応日と重なった場合が考えられます。これらの特定する日の仕事を上司が事前に命じていたときは、会社(上司)は、申請があった有給休暇の取得日を変更してほしいと要請することができます。これを「時季変更権」といいます。
質問のケースでは、上司は時季変更権を使わずに有給休暇の取得を認めています。この同僚に責任感や協調性がないのはいただけませんが、軽い注意程度が落としどころでしょう。