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重要になるキャリアサービスとの連携

 さらに+メッセージの重要性を高める可能性があるのが、キャリアが提供しているサービスとの連携だ。特に注目されるのはキャリア課金との組み合わせ。これを使えばチャットしながら商品を選んで料金を支払うという一連の流れを、+メッセージの中だけで実現できるようになる。

 大手キャリアは最近、EC(電子商取引)や保険などの生活系サービスに力を入れてきている。そうしたキャリアが提供する生活系サービスの窓口として+メッセージを利用し、インターネット上のサービスを利用するのに抵抗がある人を顧客として取り込める可能性を秘めているのだ。

KDDIはECサービスの「Wowma!」に力を入れているが、例えばこうしたサービスを利用するための窓口として、+メッセージを組み合わせてくる可能性も考えられる。写真は4月5日のKDDI新社長就任会見より(筆者撮影)
KDDIはECサービスの「Wowma!」に力を入れているが、例えばこうしたサービスを利用するための窓口として、+メッセージを組み合わせてくる可能性も考えられる。写真は4月5日のKDDI新社長就任会見より(筆者撮影)
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 現在はコミュニケーション用途にしか利用できない+メッセージだが、キャリア側は必ずしもそこで勝負をしたいとは考えていないようにも見える。むしろ電話番号による安心感とリーチ力を生かしたプラットフォームの提供を最も重視しているのではないだろうか。

ライバル同士がどこまで協力できるか

 だが課題も多く存在する。+メッセージは電話番号を利用するといっても、だれでもすぐに利用できるというわけにはいかない。今後検討するとは言いつつも、サービス開始当初はMVNOやサブブランドには対応していない。さらに国内では多数に上るiPhoneでは、+メッセージのアプリをプリインストールできない。iPhoneのユーザーに利用してもらうための環境作りは大きな課題となってくるだろう。

 そしてもう1つ、大きな課題となりそうなのが、ライバル同士である3社の足並みがどこまでそろうかという点である。コミュニケーションサービスの共通化は、ユーザーメリットとLINEなどへの対抗という面で3社の利害が一致しスムーズに実現できた。だが各社の利害が絡んでくるであろうビジネス部分について、ライバル同士が集まってスムーズに意思決定できるかどうかは疑問が残る。どこまで協力体制を構築できるかが、+メッセージの利用拡大の鍵を握ると言えそうだ。

佐野 正弘(さの まさひろ)
フリーライター
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。