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MVNO市場激化でLINEモバイルから距離を置く

 だがそれら新規事業のなかでも、LINE社の扱いが変わったものが出てきている。それはLINEモバイルだ。

 LINEモバイルは3月20日にソフトバンクと資本・業務提携を実施し、LINEモバイルはソフトバンクからの増資を受けた。これによってLINEモバイルはソフトバンクの出資比率が51%となり、実質的にLINE社の下を離れ、ソフトバンク傘下の企業となったのである。

 LINEモバイルの参入は2016年とMVNOとしてはかなりの後発だが、LINEのブランド力を持ち、なおかつLINE利用時などに通信量をカウントしない「カウントフリー」を積極的に導入したことで、大きな注目を集めていた。しかしながらLINE社は、参入からわずか2年余りで、MVNOから距離を置く判断を下したこととなる。

LINEモバイルはソフトバンクの出資を受けてソフトバンク傘下の企業となり、LINE社はMVNOによるモバイル通信事業から距離を置く形となる。写真は2月7日のソフトバンクグループ決算会見より(筆者撮影)
LINEモバイルはソフトバンクの出資を受けてソフトバンク傘下の企業となり、LINE社はMVNOによるモバイル通信事業から距離を置く形となる。写真は2月7日のソフトバンクグループ決算会見より(筆者撮影)
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 その理由は市場環境の変化にあると言えよう。MVNOは現在既に700以上存在すると言われており、狭い市場に多数のMVNOがひしめき合っている状態だ。しかもこれまでは、低価格を武器として大手キャリアから顧客を順調に奪ってきたが、そのことに危機感を覚えた大手キャリアがサブブランドや低価格サービスに力を入れるなどして顧客流出阻止を徹底してきたのだ。

 その結果、大手キャリアからMVNOへと流出する顧客が減少し、少ない顧客を多数のMVNOで取り合うという、非常に厳しい競争環境となってしまった。そうした状況下では、いくらLINEのブランド力があるとはいえ、LINEモバイルが先行するMVNO大手に追い付くのは困難だったと言える。

 そうしたことからLINE社は、単独でLINEモバイルに投資を続けて事業を継続しても、過酷な競争環境を勝ち抜き大きな事業に育てるのは難しいと判断。早期にスケールメリットを持たせるべく、大手キャリアに主導権を譲るという判断を下したと言えそうだ。