アップルに続いてグーグルもFeliCaに注力
国内企業がQRコード決済に盛り上がる一方、海外企業は異なる形でモバイル決済に向けた取り組みを加速させている。FeliCaを基盤とした、既存の電子マネーを活用したモバイル決済である。
米アップルが2016年に自社の決済サービス「Apple Pay」にFeliCaを取り込んで以降、iPhoneでSuicaなどが利用できるようになった。そして2018年、FeliCaを基盤とした電子マネーの取り込みに力を入れているのが米グーグルだ。
グーグルは2018年2月、同社の決済サービスを統合する形で「Google Pay」の提供を開始。5月には「Suica」「WAON」への対応を打ち出したほか、10月9日にはクレジットカードを用いた電子マネーの1つ「QUICPay」への対応も発表。「iD」以外の国内主要電子マネーをほぼカバーする形となった。
大きな驚きをもたらしたのは、2018年10月10日に日本への投入を発表したスマートフォン「Pixel 3」「Pixel 3 XL」に、FeliCaが搭載されたことである。日本向けモデルのみとなるが、それでもAndroidを提供するグーグルがFeliCaを採用したことの意味は大きい。
なぜなら、このことはグーグルがアップルと同様、FeliCa基盤の電子マネーを取り込んだGoogle Payの普及に本腰を入れてきた証しでもあるからだ。将来的には現在のiPhoneのように、海外版のPixelシリーズにもFeliCaを搭載し、世界中のPixelユーザーが日本を訪れた際に、Google Payを通じてFeliCaベースの決済が利用できるようになるものと考えられる。