2018年に10〜20代の若い世代で人気が急上昇している「TikTok(ティックトック)」。音楽に合わせて15秒程度の動画を作成して公開する動画共有アプリだ。2018年10月には、TikTokを運営する中国バイトダンス(Bytedance)がソフトバンク・ビジョン・ファンドから30億ドルの出資を受け、企業価値が750億ドルとなり米ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)を超えたと米ブルームバーグ(Bloomberg)が報じている。なぜTikTokがヒットしたのか、そしてこの人気はどこまで続くのだろうか。

用意された音楽に合わせ、15秒のショートムービーを作成

 スマートフォンの利用に積極的な10〜20代の若い世代から火が付き、人気となるスマートフォンアプリやサービスは少なくない。「LINE」や「Instagram」などがそうしたサービスの代表例と言えるだろう。

 そして2018年、若い世代から非常に強い支持を得て、人気を獲得したのがTikTokである。TikTokは動画共有アプリの一種だが、大きな特徴の1つは、好みの楽曲に合わせた動画を作成できること。TikTok上にはJポップをはじめ多くの楽曲が公開されており、ユーザーはそれらから好みのものを選んで動画を作成できる。

 そうしたことからTikTokには、音楽に合わせて「口パク」をする動画や、ダンスを踊る動画などが多く投稿されている。投稿者は楽曲に合わせた表現に様々な工夫を取り入れ、個性を発揮した動画を作成しているのである。

2018年に若い世代から高い人気を博した「TikTok」。音楽に合わせた15秒程度のショートムービーを投稿する動画共有アプリだ。ユーザーの工夫によって動画の最後に振り返る「こっちを見て」など、独特の動画カルチャーも生み出されている
2018年に若い世代から高い人気を博した「TikTok」。音楽に合わせた15秒程度のショートムービーを投稿する動画共有アプリだ。ユーザーの工夫によって動画の最後に振り返る「こっちを見て」など、独特の動画カルチャーも生み出されている
(出所:Bytedance)
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 もう1つの特徴は、作成・公開できる動画は15秒程度と、極めて短いこと。短い時間で多彩な動画を手軽に楽しめる。コンテンツの消費スピードが速いスマートフォンにマッチしたサービスであったことが、人気を博した要因の1つと言えるだろう。

 動画の短さは、動画投稿者の幅を広げるという意味でも大きなメリットがある。長時間の面白い動画を作成するには企画力やトーク力、動画編集力など様々なスキルが求められる。YouTuberなどでも面白い動画を定期的に作成し、人気を維持できる人は少数に限られる。

 だがTikTokは動画の尺が短く、しかも音があらかじめ用意されていることから、求められるスキルが少ない。このため、工夫次第で誰でも注目を集める動画を作れる可能性があり、「人気者になりたい」という若い世代が強く持つ自己顕示欲を満たしやすい。故に、TikTokが人気となったと筆者はみる。