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今後はグーグルの他のサービスの連携が進むか

 グーグルの説明によると、今後Google Play MusicをYouTube Musicに統合し、将来的にGoogle Play Musicは廃止される予定とのこと。これにより、同社はYouTubeを音楽配信の主体として展開していくことが明確になったわけだ。

 ただし現在、ユーザーが所有する楽曲を再生する「ロッカー」機能など、Google Play Musicに搭載されている機能のいくつかはYouTube Musicに備わっていない。そこで統合が進むまでの間、当面は双方のサービスが並行して提供されるという。YouTube Music PremiumとGoogle Play Musicの有料サービス利用者は、両サービスの相互利用が可能になるそうだ。

 最初から1つのサービスに整理統合するのではなく、複数のサービスを並行して提供を継続しつつ、双方の要素を徐々に統合して最適化を図るという手法は、最近であればメールサービスの「Gmail」と「Inbox」でも見られたものだ。それだけに今回のような対応は、ある意味でグーグルらしい展開だと言えるかもしれない。

 ユーザー視点で見るならば、YouTubeがベースなら無料でもサービスを利用できるという強みもあるので、移行は比較的順当に進むものと考えられる。今回のサービス統合によって、YouTubeは一層音楽サービスとしての存在感を高めることになりそうだ。

 YouTube Musicへの統合後に注目されるのは、グーグルがYouTube Musicと自社サービスをどのように連携させていくのかということだ。というのも同社は最近、スマートスピーカーの「Google Home」やスマートフォンの「Pixel」シリーズなど、コンシューマー向けのハードウエアに力を入れている。サービス面では2018年に、クラウドストレージサービスの「Googleドライブ」を「Google One」としてリニューアルし、総合クラウドサービスへと転換するとともに、コンシューマー向けのサービスやサポートの充実を図っている。

グーグルは日本でも「Google Home」や「Pixel 3」などコンシューマー向け製品に力を入れており、インターネット上だけでなく日常生活でのサービス利用に向けた取り組みを推し進めている。写真は10月10日のグーグル新製品発表会より(筆者撮影)
グーグルは日本でも「Google Home」や「Pixel 3」などコンシューマー向け製品に力を入れており、インターネット上だけでなく日常生活でのサービス利用に向けた取り組みを推し進めている。写真は10月10日のグーグル新製品発表会より(筆者撮影)
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 つまりグーグルはコンシューマー向けの製品やサービスに力を入れることで、インターネット上だけでなく、人々の日常生活にも自社サービスの利用を広げようとしているのである。そこで高い人気と知名度、そして充実したサービス内容を持つ、キラーサービスと言うべきYouTube Musicをどのように活用して自社サービスの普及拡大を推し進めていくかが、2019年以降に高い関心を集めるのではないだろうか。

佐野 正弘(さの まさひろ)
フリーライター
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。