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「0円タクシー」で新たなビジネスモデルを提案

 そしてもう1つ、中島氏が新たな取り組みとして打ち出したのが「PROJECT MOV」である。これはMOVが乗客とタクシーだけでなく、企業や店舗、行政などともマッチングすることにより、タクシーのビジネスモデルを変え新しい移動体験を提供するものになるとのことだ。

 その第1弾としてディー・エヌ・エーでは、乗客が無料でタクシーに乗ることができる「0円タクシー」を開始すると発表している。この0円タクシーはMOVのアプリから呼び出せる。スポンサーから広告宣伝費を取ることで、乗客のタクシー料金を無料にするという。スポンサーは車内のラッピングや試供品の提供ができるなど、タクシーを広告媒体として活用できるという。

 ちなみに最初のスポンサーは日清食品とのことで、2018年12月5日から東京都内の一部エリアで、専用のラッピングを施した「0円タクシー by 日清のどん兵衛」を展開。東京都内の対象エリア内であれば、MOVアプリから0円タクシーを呼び出すことが可能だという。

乗客の代わりにスポンサーがタクシー代を支払う「0円タクシー」。最初のスポンサーは日清食品で、対応するタクシーは同社の「どん兵衛」仕様にラッピングされている。2018年12月4日のディー・エヌ・エー発表会より(筆者撮影)
乗客の代わりにスポンサーがタクシー代を支払う「0円タクシー」。最初のスポンサーは日清食品で、対応するタクシーは同社の「どん兵衛」仕様にラッピングされている。2018年12月4日のディー・エヌ・エー発表会より(筆者撮影)
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 0円タクシーのようにビジネスモデルを大きく転換する発想は、小規模な事業者も多い従来のタクシー会社からしてみれば難しいものでもある。新参でありながら業界全体に影響を与えるプラットフォーマーという立場を取ることができ、なおかつ企業体力があるディー・エヌ・エーならではのポジションを生かした展開とも言えるだろう。

 しかしながら中島氏は、タクシー配車アプリの利用は全体の1%程度に過ぎず、大半は依然として「流し」での乗車で、その傾向は今後も大きくは変わらないとも話している。日本のタクシー業界は、ライドシェアアプリによる配車が主流となった海外と同じ状況にはならないと考えているようだ。