米グーグル(Google)が「Stadia」、米アップル(Apple)が「Apple Arcade」と、IT大手が新たなゲームプラットフォームを提供しようとしている。だがアプリを主体としたスマートフォンゲームで全盛を極めている両社が、なぜ別のゲームプラットフォームを構築しようとしているのだろうか。
クラウドゲームながら高性能を実現する「Stadia」
ゲームはITと非常に縁が深く、切り離すことのできない存在だ。パソコンやスマートフォンなどにおいても、ゲームは黎明(れいめい)期からその利用をけん引するコンテンツとして、大きく貢献してきた。
そして2019年に入り、ITとゲームに関して大きな動きが相次いでいる。しかもその動きを起こしているのが米IT大手2社であることから、一層関心を高めているようだ。
最初に動きを見せたのはグーグルだ。同社は2019年3月20日(米国時間)から開かれた「Game Developers Conference 2019」(GDC 2019)にて、クラウドゲームプラットフォームのStadiaを発表したのである。
これは、グーグルが提供するWebブラウザー「Google Chrome」上で利用できるゲームサービスで、インターネットを通じゲームをストリーミングでプレーできる。いわゆるクラウドゲームサービスの1つである。Chromeさえ入っていれば、パソコンやスマートフォン、テレビなどあらゆるデバイスでゲームをプレーすることが可能だ。手元のハードの性能はあまり問われないので、低価格なデバイスでも高品質なゲームをプレーできるのも大きなポイントとなる。
同様のサービスはこれまでにも多く存在したが、Stadiaが注目された最大の理由は、ゲームを動かすクラウド側の性能だと言える。Stadiaでは、4K画質でHDR対応の映像を秒間60フレームで配信できる性能を各プレーヤーに割り当てるとしている。将来的には8K画質、秒間120フレームの映像配信ができるように性能向上させたいという。ゲーミングPCに匹敵する性能をクラウドゲームで楽しめることが、大きな驚きをもたらしたわけだ。