NTTドコモは「iモード」の新規申し込みを2019年9月30日をもって終了する。絵文字をはじめ現在のスマートフォンにも続くモバイルインターネットの基礎となったiモードだが、より大きな功績はインターネット利用者の幅を広げたことではないだろうか。
2019年9月に新規受け付けを終了
2019年4月15日にNTTドコモは新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」を発表した。同社は2018年に、通信料金と端末代を分離した「分離プラン」をベースに、現行の料金プランより2〜4割値下げする新料金プランを2019年度の第1四半期に提供すると発表していたことから、その内容にはかなり高い関心が寄せられているようだ。
だが実は、同日に注目すべき別の発表があった。iモードの新規受け付けの終了だ。これは新料金プランの提供と併せて、以前の料金プランを終了するのに伴う措置だ。iモードが利用できる3G(第3世代移動通信システム)携帯電話向け料金プランとともに、2019年9月30日をもってiモードの新規受け付けが終了することとなる。
iモード対応端末については、2016年時点で出荷を終了している。今後も3Gのサービスが続く限りiモードを使い続けられるようだが、今回の措置をもっていよいよiモードの終了が見えてきたことは確かだろう。
iモードは「インターネットと携帯電話の融合を実現する」との触れ込みで、1999年にサービスを開始した。iモードの登場を皮切りに、現在のKDDIの前身の1つとなるDDIセルラーグループが「EZweb」、ソフトバンクの前身の1つに当たるデジタルホングループが「J-スカイ」を開始し激しい競争を繰り広げるなど、フィーチャーフォン時代に日本でモバイルインターネットの礎となった。
それだけにとどまらず、スマートフォンで一般的なOSやアプリマーケットの仕組みなどにも影響を与えるなどして、世界的にモバイルインターネットを普及させる上で重要な役割を果たした。iモードはモバイルインターネットの歴史で欠かせない存在であることに疑う余地はないだろう。
中でもiモードで高い人気を博した絵文字は、文字の概念を拡大し、現在では「emoji」として世界中の人々が利用する存在にもなっている。2015年には英国のオックスフォード辞典がその年を象徴するワードに絵文字を選出したほか、2016年にはiモードの初期の絵文字176種類がニューヨーク近代美術館に所蔵されるなど、世界的に高い評価を受けていることが分かる。