PR

タブレットと異なる価値を伝えられるか

 筆者が最も気になったのは、タブレットとの違いを明確に打ち出せているのかという点である。Google Nest Hubの価格は税込みで1万5120円だが、7インチクラスでWi-Fiのみ利用可能というAndroidタブレットは、安価なものであれば同程度の値段で手に入る。加えて、それらタブレットでもGoogleアシスタントは利用できるなど共通している部分は多い。

 実際にGoogle Nest Hubを使ってみると、音声操作が主体であることからタッチによるインターフェースはかなりシンプルにまとめられている。タブレットで利用するアプリよりも文字やボタンは大きく、見た目にも分かりやすいというのはメリットといえる。

音声操作が主体ということもあり、一般的なタブレットのアプリと比べると、文字やボタンの表示は大きく、見やすさが重視されている
音声操作が主体ということもあり、一般的なタブレットのアプリと比べると、文字やボタンの表示は大きく、見やすさが重視されている
[画像のクリックで拡大表示]

 一方で、利用できるサービスはGoogleアシスタントが対応しているものに限られているため、Google Playからアプリが追加でき、ゲームなどのプレーも可能なタブレットと比べると機能面は劣る。またバッテリーを搭載しているわけではなく、あくまで特定の場所に据え置いて利用することが前提になるというのも、タブレットと比べた場合の弱点といえる。

 故に、リビングや寝室など特定の場所に据え置き、天気やニュースなど情報のチェック、家電の操作、そして音楽再生を重視するというなら、Google Nest Hub、ひいてはスマートスピーカーの利便性は高い。だが場所を固定せず、なおかつゲームや動画などのコンテンツを楽しむことを重視するなら、タブレットのほうが便利ということになるのだろう。

 実際に使ってみると、これまでスマートスピーカーを使っていた人ならばその価値を比較的理解しやすく、買い替えれば利便性はかなり高まると感じた。だがスマートスピーカーを使ったことがない人の視点で見るならば、やはりタブレットと似た部分が目立ち、価値が伝わりにくいと感じたのもまた事実である。日本ではスマートスピーカーへの関心が落ちてきているだけに、普及にはスマートディスプレーならではの価値を明確に伝える取り組みが求められることになりそうだ。

佐野 正弘(さの まさひろ)
フリーライター
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手掛けた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手掛ける。