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 2020年2月4日、日本交通ホールディングス(HD)とディー・エヌ・エー(DeNA)はタクシー配車アプリ事業の統合を発表した。日本交通HDは傘下にタクシー配車アプリ「JapanTaxi」を手掛けるJapanTaxiを持ち、DeNAは同「MOV」を展開している。スマートフォン決済に続き、タクシー配車でも事業者の再編といった動きが起こりつつあるようだ。その背景には何があるのだろうか。

メルカリ・ドコモ提携と同日に統合を発表

 ここ最近、携帯電話事業者を軸にスマートフォン決済サービスの再編に向けた動きが相次いでいるのは、前回この連載で取り上げた通りだ。それと時を同じくして、再編の動きを見せているのがタクシー配車アプリである。

 タクシー配車アプリは「JapanTaxi」が老舗として知られる。だがここ数年来、IT関連企業による参入が相次いでおり、競争が激しくなりつつあった。

 2018年にDeNAの「タクベル」(現在は「MOV」)が参入して以降、ソフトバンクが中国のライドシェア大手である滴滴出行と共同でDiDiモビリティジャパンを設立してサービスを開始。2019年にはソニーと東京都内のタクシー会社らが設立した、みんなのタクシーによる配車サービス「S.RIDE」が始まった。スマートフォン決済ほどではないものの参入する事業者が相次ぐ状況だった。

 そんな中、2020年2月4日、日本交通HDとDeNAが共同記者会見を開き、JapanTaxiとMOVの事業を4月1日に統合すると発表した。この日はNTTドコモとメルカリ、メルカリ傘下のメルペイの3社がスマホ決済事業などで業務提携すると発表した日でもあった。

 事業の統合によって、JapanTaxiは日本交通HDとDeNAが共同で筆頭株主になる。具体的な施策の内容は明らかになっていないが、両社でタクシー配車を中心としたMaaS(Mobility as a Service)関連事業を手掛けていくという。

日本交通ホールディングス(HD)の川鍋一朗社長(左)とディー・エヌ・エーの中島宏常務執行役員オートモーティブ事業本部長。日本交通HD傘下のJapanTaxiと「MOV」を運営するディー・エヌ・エーはタクシー配車アプリ事業の統合を発表。日本交通HDとディー・エヌ・エーがJapanTaxiの共同筆頭株主になる
日本交通ホールディングス(HD)の川鍋一朗社長(左)とディー・エヌ・エーの中島宏常務執行役員オートモーティブ事業本部長。日本交通HD傘下のJapanTaxiと「MOV」を運営するディー・エヌ・エーはタクシー配車アプリ事業の統合を発表。日本交通HDとディー・エヌ・エーがJapanTaxiの共同筆頭株主になる
(写真提供:ディー・エヌ・エー)
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