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 セキュリティーを高めるため、さまざまなサービスで生体認証の利用が広がっている。だが新型コロナウイルスの影響で、ある課題が浮上している。世界的にマスクの利用が拡大し、生体認証の1つである顔認証が使いにくくなったのだ。どのような解決策が求められるのだろうか。

幅広いオンラインサービスに広がる生体認証の活用

 スマートフォンの画面ロックを解除するのに用いられる機会が多くなった生体認証。指紋や顔などで認証する。最近では低価格のミドルクラスの機種でも指紋センサーを搭載しており、スマートフォンに欠かせない機能の1つとなりつつある。

 そして生体認証が広く普及するにつれ、これを画面ロックの解除だけでなく、さまざまなアプリやサービスの認証に活用する取り組みも広がりつつあるようだ。この分野で比較的早くから取り組みを進めているのが米アップル(Apple)だ。

 同社はiPhoneなどiOSデバイスに搭載されている指紋認証の「Touch ID」や顔認証の「Face ID」を、AppStoreなどでの決済や、Apple Payで決済する際の認証手段として積極的に活用している。サードパーティー製アプリの認証にも、これらの生体認証を活用することにより、パスワードを入力することなく認証できる仕組みを整えてきた。

 一方で、生体認証を特定のメーカーだけでなく、汎用的なサービスにも活用できるようにする取り組みも始まっている。FIDO Allianceという団体が推進している「FIDO(Fast IDentity Online)」という技術だ。同団体に認定された機器を活用することで、アプリやWebなどオンラインサービスの認証に生体認証を採用しやすくなる仕組みの整備が進められている。

オンラインサービスへの生体認証活用に向けた技術の標準化を進めるFIDO Alliance。米グーグルや米アマゾン・ドット・コムなどIT大手のほか、国内でもヤフーやLINEなど多くのIT関連主要企業が参加している。写真は2019年12月5日のFIDO Alliance記者発表会より
オンラインサービスへの生体認証活用に向けた技術の標準化を進めるFIDO Alliance。米グーグルや米アマゾン・ドット・コムなどIT大手のほか、国内でもヤフーやLINEなど多くのIT関連主要企業が参加している。写真は2019年12月5日のFIDO Alliance記者発表会より
(筆者撮影)
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 FIDOはパスワードに関する問題がクローズアップされて以降注目を集めるようになってきた。「Yahoo! Japan」「LINE Pay」など国内でも幾つかのサービスで利用が進められている。中でもFIDOを積極的に活用しているのは、FIDO Allianceにも関与しているNTTドコモだ。