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 シャープが電子商取引(EC)サイトでマスクを販売すると、同社製の家電をスマートフォンから操作できなくなった――。そんな不可思議な現象が2020年4月21日に起こった。需給がひっ迫しているマスクを購入するためECサイトに利用者が殺到。そのECサイトと家電を操作するアプリは同じ認証基盤を用いていた。このことがトラブルの原因のようだが、この出来事にはスマート家電が広がる今後に向けた警告とも取れる。

マスク販売サイトのトラブルが家電に影響

 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況にあることから、政府の要請を受け2020年3月よりマスク生産に乗り出したシャープ。異業種からのマスク製造参入という点で注目されたが、より大きな注目を集めているのが、そのマスクを医療機関向けだけでなく、一般向けにも販売を始めたことだ。

 シャープは2020年4月20日、子会社のSHARP COCORO LIFE(大阪府八尾市)を通じて、2020年4月21日午前10時より一般向けにECサイトを通じてマスクを販売すると発表。新型コロナウイルスの影響でマスクの入手が困難な状況が続いているだけあって、同社のマスク販売は大きな注目を集めることとなった。

新型コロナウイルスの影響を受けマスクの生産・販売を始めたシャープだが、個人向けのマスク販売サイトにアクセスが殺到、同社のスマート家電に影響を及ぼす事態となった
新型コロナウイルスの影響を受けマスクの生産・販売を始めたシャープだが、個人向けのマスク販売サイトにアクセスが殺到、同社のスマート家電に影響を及ぼす事態となった
(出所:シャープ)
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 だが販売開始当日、あまりの注目の高さからECサイトに多数の人がアクセス。想定以上にアクセスが集中し、ファイアーウオールが接続を絞ってしまったようだ。そのため長時間にわたってECサイトにアクセスできない状態が続いた。だが、全国的にマスクが不足している状況を考えれば、こうした事象が発生したこと自体は不思議ではない。

 問題はこれだけでは終わらなかった。シャープは同社のクラウドサービスと連携しスマートフォンアプリなどを通じさまざまな操作ができるスマート家電(同社はAIoT家電と呼ぶ)を提供している。マスク販売のトラブルと同時に、スマートフォンアプリからそれらのスマート家電が操作できなくなったのだ。

 それらの家電は通常のリモコンなどでは操作できたようなので、機器の故障ではなく、あくまでアプリやサービスの問題といえる。しかしなぜ、ECサイトで発生した障害がアプリに連動し、家電が操作できなくなったのだろうか。