LINEは2020年5月1日、LINEポイントなどの優遇が受けられる新しいメンバーシッププログラム「LINEポイントクラブ」を始めた。さまざまな特典が受けられる一方、LINE Payにチャージした残高で支払ってもLINEポイントが付与されなくなるなど、ユーザーにとって不利な要素もある。なぜこうした変更をしたのだろうか。
2020年5月に起こったLINE Pay2つの変化
2019年に盛り上がりを見せた、QRコードを中心としたスマートフォン決済。2020年初頭にもメルペイがOrigamiを買収し、さらにNTTドコモと提携するなど大きな動きが相次いだ。だが、新型コロナウイルスの感染拡大防止による政府の緊急事態宣言を受け、外出自粛要請の下、店舗での決済需要自体が減少。盛り上がりを欠く状況が続いている。
そうした中にあって、動きを見せているのがLINE傘下のLINE Payが運営する「LINE Pay」である。LINE Payとビザ・ワールドワイド・ジャパン、三井住友カードの3社は2020年4月下旬から順次、「Visa LINE Payクレジットカード」の申し込みの受け付けを始めた。
Visa LINE Payクレジットカードはサービス初年度、カードによる支払いによってLINEの「LINEポイント」が3%還元されるという高還元率で注目を集めた。当初オリエントコーポレーションと提携して発行される予定だったが、2020年1月にLINE Payはオリエントコーポレーションとの提携を解消。発行を不安視する向きもあったが、その後新たに三井住友カードをパートナーに迎え、無事発行に至ったようだ。
もう1つ、大きな動きとなったのがメンバーシッププログラムの変更だ。LINEとLINE Payはこれまで、LINE Payの利用を促すためのインセンティブプログラム「マイカラー」を提供していた。これは毎月のLINE Payの決済利用実績などによってランクが変化し、ランクが上がるにつれてLINE Pay決済時に付与されるLINEポイントの付与率を変える仕組みだった。
しかし2020年5月から、新しいメンバーシッププログラム「LINEポイントクラブ」へと移行した。LINEポイントクラブは過去6カ月間に獲得したLINEポイントの総量によって「マイランク」を変え、それによってさまざまな特典が得られる施策である。クーポンの枚数のほか、「チャージ&ペイ」利用時のLINEポイントの還元率がマイランクによって変わる。