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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、厚生労働省は2020年6月19日にスマートフォン向けの新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」をリリースした。米Google(グーグル)と米Apple(アップル)が提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を使用し、プライバシーに配慮しながら感染者との濃厚接触をいち早く知ることができる仕組みを備えたアプリだ。効果を発揮するには幅広い利用者への普及が欠かせない。COCOAの普及にはどのような取り組みが求められるだろうか。

厚生労働省が提供する新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた接触確認アプリ「COCOA」。米Googleと米Appleが提供したAPIを活用し、プライバシーに配慮しながらも感染者との濃厚接触をいち早く知ることができる仕組みになっている
厚生労働省が提供する新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた接触確認アプリ「COCOA」。米Googleと米Appleが提供したAPIを活用し、プライバシーに配慮しながらも感染者との濃厚接触をいち早く知ることができる仕組みになっている
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プライバシー配慮のためにも利用者の拡大は不可欠

 政府の緊急事態宣言が解除され、商業地などで人の流れが回復しつつある。だがこの記事を執筆している2020年7月2日、東京都で新たに107人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、再び感染拡大が懸念されている。

 そうした中、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ新たな取り組みとして、厚生労働省はスマートフォンアプリ「COCOA」を公開した。COCOAはスマートフォンのBluetoothを介して他のCOCOA利用者と近接したときにデータを交換。そのうち1メートル以内、15分間以上接触した可能性のある人の中で、新型コロナウイルスに感染した人が見つかったときに感染者と近接した可能性を通知。症状に応じた窓口を案内して素早く検査などが受けられるという。

 COCOAはGoogleとAppleが新型コロナウイルスの感染防止のために開発したAPIを用い、プライバシーに配慮して開発されているのが特徴だ。COCOAが交換する情報はランダムな識別子に限られ、位置情報など個人を特定する情報は記録されない。また近接した情報は14日後に自動的に無効となる他、アプリを削除すれば全ての記録を消去できるという。

 COCOAの利用が「誰が新型コロナウイルスに感染したのか」といったセンシティブな情報の漏洩につながることはないと考えられる。一部の国で提供されているアプリのように、プライバシーよりも感染拡大防止を重視して、感染者を追跡するような仕組みは備えていない。

 プライバシーに強く配慮しているがゆえに、COCOAが効果を発揮するには多くの人の利用が欠かせない。全国民の6割がインストールする必要があるとの見解もあるが、仕組み上利用者が多いほど効果が高まるのは確かだ。