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 「Pokémon GO(ポケモンGO)」などで知られる米Niantic(ナイアンティック)は2020年9月1日、ソフトバンクなど世界各国の携帯電話事業者と、5GにおけるAR(拡張現実)体験の在り方を定義・推進するアライアンス「Niantic Planet-Scale AR Alliance」を設立すると発表した。ナイアンティックが携帯電話事業者と組んで5Gを活用したARへの取り組みを進める狙いはどこにあるのだろうか。

5GでAR体験の在り方を考えるアライアンス

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ナイアンティックは2020年9月2日、社員全員を2020年9月7日から1週間休暇にすると発表。顧客をサポートするオペレーションチームの社員以外は全て休暇を取り、オペレーションチームにも年明けに同等の有給休暇を提供するとのことで、社員の健康を重視した取り組みが高い関心を呼んだ。

 もう1つ、その前日となる2020年9月1日に実施した発表も大いに注目を浴びるものであった。それは世界各国の携帯電話事業者とNiantic Planet-Scale AR Allianceを設立するというものである。

 立ち上げメンバーにはナイアンティックの他、米Verizon(ベライゾン)や独Deutsche Telekom(ドイツテレコム)、韓国SK Telecom(SKテレコム)など各国の大手携帯電話事業者8社の名前が挙げられている。日本からはソフトバンクが参加しており、かなり大規模な取り組みとなることは確かだろう。

「Niantic Planet-Scale AR Alliance」にはナイアンティックに加えて世界の携帯電話大手8社が参加。5GでのAR体験の在り方を定義、推進していくとしている
「Niantic Planet-Scale AR Alliance」にはナイアンティックに加えて世界の携帯電話大手8社が参加。5GでのAR体験の在り方を定義、推進していくとしている
(出所:ナイアンティック)
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 同社の発表内容によると、アライアンスは「5GでのAR体験の在り方を定義、推進すること」を目的に始めたという。ナイアンティックはAR技術の開発に非常に力を入れているが、より良いAR体験を提供するには自社の技術だけでなく、デバイスやネットワークなど様々な要素が必要で、それをナイアンティック1社で用意するのは難しいという。

 そこでナイアンティックは、アライアンスで「5G対応のARコンテンツを独占的に提供し、5Gの世界でのイノベーションが何を意味するかの基準となる消費者向けのAR体験を実証」するとしている。ナイアンティックが持つAR技術と各携帯電話事業者の5Gネットワークを活用し、ARコンテンツを開発して実際に使ってもらいながら5Gを活用したAR体験の在り方を検討していくというのが、大きな狙いとなるようだ。