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 LINE社は2020年9月10日にビジネスカンファレンスイベント「LINE DAY 2020 - Tomorrow's New Normal-」を実施し、コロナ禍を見据えた新たな取り組みを打ち出した。気になるのは2021年3月に予定しているZホールディングスとの経営統合で、LINE社のサービスがどう変わるかということ。一連の発表内容から経営統合後のサービスの在り方を占ってみよう。

コロナ禍を意識した新サービスを発表

 コロナ禍でイベントのオンライン化が進む昨今。LINE社がほぼ毎年実施してきたカンファレンスイベントも、2020年はオンラインでの開催となった。

 午前から夕方までおよそ6時間、昼食の休憩すら挟むことなく実施されたイベントの中では、台湾のデジタル担当大臣であるオードリー・タン氏や、アーティストの長渕剛氏も登場。同社の取り組みを多くの人に伝えるべく、非常に力の入った内容となっていた。中でも今回力を入れたのは、ウィズコロナやアフターコロナを見据えた「ニューノーマル」を意識した取り組みだろう。

 実際イベントの中では、新型コロナウイルスの感染が拡大したダイヤモンド・プリンセス号でのLINEによる乗客サポートや、厚生労働省と協力して3月以降実施している「新型コロナ対策のための全国調査」など、コロナ禍におけるLINE社の活動を振り返るとともに、その経験からニューノーマル時代に向けた新たなサービスの提供を打ち出している。

 そうした中でも注目される新たなサービスの1つは「LINEドクター」だろう。これはLINEのビデオ通話を通じて医師の診察を受けられるオンライン診療サービスである。初診を含めたオンライン診療がコロナ禍によって特例で認められるようになった。それを国内のインターネットサービス大手が手掛けることには大きな意味とインパクトがあったといえる。

「LINE DAY 2020 - Tomorrow's New Normal-」で、LINE社はLINEのビデオ通話を用いたオンライン診療サービス「LINEドクター」の提供を発表。国内インターネット大手がオンライン診療に乗り出したことは大きい(出所:LINE)
「LINE DAY 2020 - Tomorrow's New Normal-」で、LINE社はLINEのビデオ通話を用いたオンライン診療サービス「LINEドクター」の提供を発表。国内インターネット大手がオンライン診療に乗り出したことは大きい(出所:LINE)
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 そしてもう1つはエンターテインメントに関する取り組みだ。エンターテインメント関連の産業は、コロナ禍で劇場やライブハウスでの公演に制約が出たことで大きな打撃を受けている。LINEでは「LINE LIVE」や「LINE MUSIC」などで培ったノウハウを生かし、エンターテインメントのデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める取り組みを強化するとしている。

 具体的には松竹らと「松竹DXコンソーシアム」を設立し、松竹が持つ映画や演劇などのコンテンツと、LINEなどが持つデジタル技術を活用した新しい映像体験の提供や、オンライン配信の高度化などに取り組むとのこと。またLINEの「タイムライン」で複数のアカウントを活用できるようにし、タイムラインをコンテンツ配信プラットフォームとして活用できるようにするとともに、広告などでクリエーターに収益をもたらす仕組みも提供するとしている。

コロナ禍で苦しむエンターテインメント産業のデジタル化を促進するべく、松竹などと「松竹DXコンソーシアム」を設立、デジタル技術による映像体験やオンライン配信の高度化を進めるとしている(出所:LINE)
コロナ禍で苦しむエンターテインメント産業のデジタル化を促進するべく、松竹などと「松竹DXコンソーシアム」を設立、デジタル技術による映像体験やオンライン配信の高度化を進めるとしている(出所:LINE)
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