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 2020年10月1日、PASMO協議会は「モバイルPASMO」をApple Payに対応させると発表した。モバイルPASMOは交通系ICカードの「PASMO」をスマートフォン上で利用できるようにするモバイルアプリやサービス。先行して対応したAndroid版と併せて、PASMOのiPhone対応は待ち望んだ人が多かったようだ。一方で実現に14年もの歳月を費やしていることを考えると、スマートフォン決済における交通系ICカードの今後の立場を考えると不安が残る。

首都圏の私鉄沿線居住者には「悲願」

 スマートフォンで電車に乗る仕組みといえば、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の「モバイルSuica」がよく知られている。首都圏のJR沿線の居住者などであれば、モバイルSuicaを定期にしてスマートフォンだけで通勤・通学するという人も多いだろう。

 だがモバイルSuicaはあくまでJR東日本のサービスである。私鉄や他のJR各社の交通系ICカードと共通化が進んでいることから、モバイルSuicaを使って他社の鉄道などに乗ること自体は可能だ。ただ、定期券を作れるのはJR東日本の路線を含んだ場合に限られるなど、JR東日本以外の沿線居住者には不便な仕様もいくつかあった。

 だが2020年に入り、そうした不満の一部が解消されることとなった。それは、主に関東圏の私鉄などで用いられている交通系ICカードのPASMOがスマートフォンに対応したことである。

 実際PASMOを運営するPASMO協議会は、2020年3月18日にAndroid版のモバイルPASMOのサービス開始を発表。2020年8月6日には米Apple(アップル)の「Apple Pay」への対応を打ち出していたのだが、2020年10月6日、ついにそのApple Pay対応が現実のものとなったのである。

「モバイルPASMO」は2020年3月18日にAndroid版が提供され、2020年10月6日にはApple Payにも対応、iPhoneでも使えるようになった
「モバイルPASMO」は2020年3月18日にAndroid版が提供され、2020年10月6日にはApple Payにも対応、iPhoneでも使えるようになった
(出所:PASMO協議会)
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 このことは私鉄沿線に住んでいる首都圏居住者、特に通勤・通学で電車やバスを使っている人にとって朗報であることに間違いない。Apple Payへの対応で、首都圏などの私鉄利用者もiPhoneを定期券代わりに利用できるようになったことから、サービス開始早々SNSなどでは大きな話題となったようだ。