米国時間の2020年10月13日に新しいiPhone「iPhone 12」シリーズを発表した米Apple(アップル)だが、それと同時にスマートスピーカーの新製品「HomePod mini」の投入も発表している。これまでスマートスピーカーにあまり力を入れていなかったアップルが、HomePod miniの投入でこの分野にも力を入れようとしているのは、なぜだろうか。
コンパクトなスマートスピーカー、他の機器との連携に注力
新型コロナウイルスの影響で発表が遅れていたアップルの新iPhoneだが、米国時間の2020年10月13日に「iPhone 12」シリーズを発表。全機種が5Gに対応したというだけでなく、新たにコンパクトサイズの「iPhone 12 mini」を追加した4機種のラインアップをそろえるなど、大きな話題となった。
だがアップルはこの日、もう1つの新製品「HomePod mini」も発表している。これはスマートスピーカー「HomePod」シリーズの最新モデルであり、従来のHomePodと比べ大幅に小型化が図られたモデルとなる。
HomePodは音質に力を入れたスマートスピーカーとして知られているが、HomePod miniもその点は同様である。実際HomePod miniには「Apple Watch SE」などにも採用されているチップセット「S5」を搭載し、音楽の特性を解析して最適な音質を実現するなど、音楽再生に関連する機能の充実を売りにしているようだ。
また、他のアップル製品との連携により力が入れられているのもポイントの1つとなるようだ。そのことを象徴しているのが、超広帯域無線通信を活用した独自の通信機能を実現する「U1チップ」の活用である。
2019年発売の「iPhone 11」をはじめ、ここ最近のアップルの新製品にはU1チップを搭載した機種が増えている。そこでHomePod miniではU1チップを活用し、iPhoneを近づけて再生中の楽曲を引き継ぐ機能を2020年末に拡張し、視覚・聴覚・感覚的な効果が得られるようにするとしている。
そしてもう1つ、HomePod miniの発表に伴い新たに追加されたのが「インターコム」機能である。これはHomePod miniを通じて、他のHomePod miniに音声のメッセージを送るというもので、主として自宅内でのコミュニケーション利用が想定されるものだが、iPhoneなど他のアップル製品、さらには「CarPlay」対応カーナビゲーションシステムなどにもメッセージを送ることができるという。