全2701文字

 KDDIは2020年11月10日、中国Nreal(エンリアル)と共同で開発したスマートグラス「NrealLight」の販売開始を発表した。AR(拡張現実)のコンテンツなどが楽しめる。国内で大手企業が消費者向けにスマートグラスを販売するのはあまり前例がないが、なぜこのタイミングでスマートグラスの販売に至ったのだろうか。

スマートグラス「NrealLight」の本格販売を開始

 VR(仮想現実)やAR、それらを組み合わせたMR(複合現実)などの「xR」技術を活用したコンテンツやサービスを利用できるスマートグラスは、古くは米Google(グーグル)の「Google Glass」の頃から大きな注目を集めてきた。さらに米Microsoft(マイクロソフト)の「HoloLens」や米Magic Leap(マジックリープ)の「Magic Leap 1」など、いくつかの製品が国内で提供されている。

 ただそれらは現状まだかなり高額で、法人向けに提供されることがほとんどだ。実際NTTドコモは2020年6月よりMagic Leap 1の販売を開始しているが、その価格は約25万円と一般消費者が購入するには相当ハードルが高い。

 そうした中、KDDIが2020年11月10日に発表会を実施。Nrealと共同開発したスマートグラス「NrealLight」を、2020年12月1日より一般消費者向けに販売すると発表したのだ。

KDDIが2020年12月1日からの販売を予定している「NrealLight」。写真は2020年11月10日に実施された「スマートグラスの一般発売に関する説明会」の体験イベントより(筆者撮影)
KDDIが2020年12月1日からの販売を予定している「NrealLight」。写真は2020年11月10日に実施された「スマートグラスの一般発売に関する説明会」の体験イベントより(筆者撮影)
[画像のクリックで拡大表示]

 KDDIは国内でxRに対応したスマートグラスの提供に向け積極的に取り組んでいる。2018年にはスマートグラスを手掛けるベンチャー企業の米Osterhout Design Group(オスターハウト・デザイン・グループ)と提携してスマートグラスの開発を進めてきた。だが同社が実質的に事業を終了したことを受け、2019年5月に新たなパートナーとして提携を打ち出したのがNrealである。

 それ以降、KDDIは1年以上にわたってNreal社のスマートグラスを活用した様々な実証実験を国内で展開。事業の可能性を検証してきた。その結果事業性があると判断し、NrealLightを本格販売するという判断に至ったようだ。

KDDIはNreal社のスマートグラスを活用し、5Gなどと組み合わせた様々な実証実験を実施してきた。写真は2020年9月17日の「5Gを活用した新たな文化財鑑賞体験に関する説明会」より(筆者撮影)
KDDIはNreal社のスマートグラスを活用し、5Gなどと組み合わせた様々な実証実験を実施してきた。写真は2020年9月17日の「5Gを活用した新たな文化財鑑賞体験に関する説明会」より(筆者撮影)
[画像のクリックで拡大表示]