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 OTT(Over The Top、巨大コンテンツ事業者)のサービスと通信サービスの料金をセットで提供する「セットプラン」が、携帯電話だけでなく固定通信にも広がる動きを見せつつある。ただ一方で、菅政権による料金引き下げの影響を受け通信料のシンプル化を求める動きが、その普及を妨げる可能性も出てきており、通信事業者とOTTとの関係が良好であり続けられるとは限らなくなってきた。2020年のセットプランの動向を振り返ってみたい。

KDDIが「Amazonプライム」とのセットプランも発表

 2018年にKDDIが米Netflix(ネットフリックス)と提携し、ネットフリックスの映像配信サービスと携帯電話料金をセットで提供する「auフラットプラン25 Netflixパック」を提供して以降、携帯電話事業者とOTTプレーヤーの関係強化が進み、通信サービスとOTTのサービスを連係する動きが急拡大してきた。

 現在もその動きは続いている。実際、OTTとの連携に力を入れるKDDIは2020年、auブランドの携帯電話料金とOTTサービスをセットで提供するセットプランのラインアップを大幅に強化。2020年10月には「TELASA」「Paravi」「FODプレミアム」といったテレビ局の動画配信サービスをセットにした「データMAX 5G テレビパック」などの提供を開始している。

 さらに2020年12月11日には、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)の有料会員サービス「Amazonプライム」と「TELASA」をセットにした「データMAX 5G with Amazonプライム」の提供を開始。セットプランの一層の強化を図っている様子がうかがえる。

KDDIは2020年12月9日にauブランドの新サービス発表会を実施。「Amazonプライム」をセットにした「データMAX 5G with Amazonプライム」を発表するなど、アマゾン・ドット・コムとの連携強化を図っている。写真は同発表会より(筆者撮影)
KDDIは2020年12月9日にauブランドの新サービス発表会を実施。「Amazonプライム」をセットにした「データMAX 5G with Amazonプライム」を発表するなど、アマゾン・ドット・コムとの連携強化を図っている。写真は同発表会より(筆者撮影)
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 それに加えてKDDIは同じく2020年12月11日、スポーツ映像配信サービス「DAZN」を手掛ける英DAZN(ダゾーン)とも連携。セットプランの提供ではないが、対象となるauの5GプランとDAZNを契約することで、3カ月間DAZNが無料で利用できる他、4カ月目以降もDAZNの料金を月額100円(税別)割引する施策を実施するとしている。

 AmazonプライムやDAZNは、いずれも従来NTTドコモと密接に連携した施策を展開してきたサービスでもある。それがライバルであるKDDIとの連携を強化したことで、より幅広い顧客獲得を推し進めようとしている様子がうかがえる。