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 メルカリは2021年1月27日、かねて有識者会議で議論を進めていたマーケットプレースの基本原則を公開した。批判を集めている転売防止に向け、価格が高騰した商品に対し利用者の冷静な判断を促すアラート機能の導入も打ち出された。だが社会問題化している「転売ヤー」の抜本的な対策には踏み込めておらず、悩ましい状況も見えてくる。

3つの基本原則で信頼できる市場を構築

 2020年初頭、コロナ禍でマスクなどの衛生用品が高額転売され社会問題となった、フリマアプリやインターネットオークションなどの二次流通マーケットプレース。その大手であるメルカリは、一連の問題を受ける形で2020年7月30日に「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」を設立し、二次流通マーケットプレースの果たすべき役割や、原理原則などについて議論を進めてきた。

 この有識者会議は当初3回の予定だったが、議論すべき内容が想定より多かった結果、さらに3回の会議を追加して計6回の会議を実施するに至ったとのこと。その上で2021年1月27日、メルカリは「マーケットプレイスの基本原則」を公開した。

メルカリは2021年1月27日に「マーケットプレイスの基本原則」の記者発表会を実施。有識者会議で進めていた議論を基に3つの原則を打ち出している。画像は同発表会のスクリーンショット
メルカリは2021年1月27日に「マーケットプレイスの基本原則」の記者発表会を実施。有識者会議で進めていた議論を基に3つの原則を打ち出している。画像は同発表会のスクリーンショット
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 同日に実施された発表会で、メルカリの上級執行役員でメルカリジャパンのCEOを務める田面木宏尚氏は、マーケットプレースにおける3つの基本原則を定めたとしている。1つ目は「安全であること」。違法行為や犯罪行為につながる取引はもちろんのこと、2020年に一時的に取引が禁止されたマスクなど、生命や身体の安全に関わるものでありながら需要がひっ迫している商品に関しても、この原則に照らし合わせて規制を検討していくとしている。

 2つ目は「信頼できること」。商品の詳細が分からない取引や偽装出品、取り引きに問題があった際に返金に応じないなどの行為を禁止し、多くの人に信頼して利用してもらえるマーケットプレースを構築するとしている。

 そして3つ目の原則は「人道的であること」であり、マーケットプレースでは多様な価値観が尊重されるべきだとしている。それゆえ「人道に反する行為が助長される取引があってはならない」と田面木氏は述べ、人種や民族、宗教に関する差別を助長する商品の取引や、誹謗(ひぼう)中傷や脅迫などの行為を禁止するとした。

 田面木氏は業界全体にもこれらの基本原則の浸透を図っていきたいと話した。実際同業が参加している「オンラインマーケットプレイス協議会」の14回会合において、メルカリは今回の基本原則に関する情報共有や意見交換を実施したとしている。

メルカリが打ち出した、「安全」「信頼」「人道的」という3つの基本原則。同社のフリマアプリ運営だけでなく、同業他社にも情報共有していくとしている。画像は2021年1月27日にメルカリが実施した「マーケットプレイスの基本原則」の記者発表会スクリーンショット
メルカリが打ち出した、「安全」「信頼」「人道的」という3つの基本原則。同社のフリマアプリ運営だけでなく、同業他社にも情報共有していくとしている。画像は2021年1月27日にメルカリが実施した「マーケットプレイスの基本原則」の記者発表会スクリーンショット
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