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 楽天が独自に築いたエコシステム「楽天経済圏」の主軸となる「楽天ポイント」の還元プログラムに関して、ここ最近「改悪」が相次いでいるとの声が上がっている。そこには携帯電話事業「楽天モバイル」への大幅な投資が影響していると考えられる。ポイント還元率の減少は顧客離れにもつながりかねず、同社には難しいかじ取りが求められている。

楽天ポイント還元の軸「SPU」で相次ぐ“改悪”

 最近は携帯電話事業の「楽天モバイル」で大きな注目を集める楽天だが、その主軸となる事業はeコマースなどのオンラインサービスだ。そして楽天のサービスが大きな成功を収めた要因として欠かせないのは「楽天経済圏」の存在である。

 楽天経済圏とは楽天が構築した独自のエコシステムであり、楽天のサービスを多く利用するほど、楽天市場で買い物をしたときに獲得できる「楽天ポイント」の付与率が高まるというもの。ポイント還元率を高めるために楽天のサービスを多く利用する忠誠心の高いユーザーを獲得したことが、楽天の成長につながったことは多くの人が知るところだ。

 そのポイント還元率を決めるのが「スーパーポイントアッププログラム」(SPU)である。これは指定されたサービスを利用していると、楽天市場で買い物したときのポイント還元率が高まるというプログラムだ。例えば楽天モバイル契約者は1倍、「楽天カード」利用者は2倍の倍率が追加され、執筆時点(2021年3月6日)で全ての対象サービスを利用した場合、最大で16倍のポイント還元が付与されるという。

 このSPUは時折、対象となるサービスや倍率が見直されているのだが、とりわけ2021年2月以降はSPUで多くのサービスの条件変更がなされつつあるようだ。2021年2月1日には「NBA Rakuten」、2021年4月1日には「楽天TV『Rakuten パ・リーグ Special』」、2021年6月1日には「楽天でんき」がSPUの対象外になるという。

 中でも特に影響が大きいとみられているのが「楽天ゴールドカード」のポイント倍率変更で、2021年4月1日には4倍から2倍に減少するとされている。これだけ多くのサービスが相次いでSPUの対象外となるだけに、ユーザーからは“改悪”との声が多く出ているようだ。

楽天のWebサイトより。楽天経済圏の主軸ともいえるSPUは、2021年2月以降変更が相次いでおり、ユーザーからは“改悪”との声も多い
楽天のWebサイトより。楽天経済圏の主軸ともいえるSPUは、2021年2月以降変更が相次いでおり、ユーザーからは“改悪”との声も多い
(出所:楽天)
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